高齢者の肺炎は予防できるか

こんにちは。今日は、日本人の死因で3番目に多い、肺炎について。先日の内田裕也さんの例など、芸能人の方もかかることが多い病気。肺炎とは、どのような病気なのでしょうか。

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一般的に「かぜ」と言われている病気は、鼻から喉の部分までの上気道と呼ばれるところの感染で、原因はウイルスの感染です。基本的にはウイルスの感染には抗生物質(抗菌薬)が効きませんインフルエンザなどはそれ専用の抗ウイルス薬というのがありますが、風邪のウイルスにはそうした薬はないので、基本的には自身の免疫力により治すしかない病気です。

では、風邪と肺炎は何が違うのかというと、肺炎は肺そのものに感染が起こる病気です。ウイルス性の肺炎もありますが、多くは細菌と呼ばれる微生物が原因です。原因が細菌の場合は治療には抗生物質(抗菌薬)が必要です。

肺炎が起こる原因は様々ですが、基本的には原因となる菌が、気管支を通って肺の中に入り悪さをすることで起こります。口の中や鼻の中は、常在菌と呼ばれる雑菌だらけです。

以前、長引く咳の時に少し触れましたが、人は咳をすることで気管、肺の中に菌が入らないように予防しているのですが、これがうまくいかないと肺炎を起こします。ご高齢の方や、脳梗塞を起こした方だと、この咳がうまく出てこないため、肺炎を起こしやすいのです。これを誤嚥性肺炎といいます。

先ほど肺炎の原因は細菌が多いと言いましたが、具体的には「肺炎球菌」、「インフルエンザ桿菌」という菌が原因となります。肺炎球菌による肺炎は全体の25~40%とも言われています。もちろんこの他にも口の中の菌は何種類もいますので、色んな菌が原因で起こります。(注)インフルエンザ桿菌はインフルエンザウイルスとは別物です。

そこで、今回の本題ですが、最も多い「肺炎球菌」の対策として、肺炎球菌ワクチンの接種が平成26年よりできるようになりました。対象者は、65歳、70歳、75歳、80歳、85歳、90歳、95歳、100歳の方、もしくは60~65歳でかつ心臓、腎臓、肺の機能に障害があり日常生活が制限される(ややこしいですが、つまり病院などに行きたいときに気軽に行けないということでしょう)方、HIVウイルスに感染していて日常生活に障害がある方となっています。

ややこしいですよね。簡単に言うと、60歳や65歳の方は接種できるけど、63歳の人は接種できないということです。謎の5年しばり・・・63歳の方はあと2年待ってくださいということです。

かなり分かりにくいのでもう「65歳以上で未接種の方が対象」でいいような気はしますが、そのあたりは厚生労働省さんに聞いてもらうしか・・・笑

あと、1回接種している方は対象外です。また過去5年以内に接種を受けている方は、注射により皮膚の痛みなどの副作用が強く出る場合があるので注意してください。

 

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最後に、本題のテーマである肺炎の予防についてですが、残念ながらすべての肺炎を完全に予防することはできません。また肺炎球菌ワクチン自体は、約90種類ある肺炎球菌の中でも頻度の高い23種類の菌に対する予防ワクチンです。なので、ワクチンを接種したからといって肺炎球菌の肺炎にかからないとは限りません。また、冒頭でも少しふれたように、脳梗塞後で寝たきりの患者さんの場合はやはり食事だけでなく自身の唾液を誤嚥したりしてしまうので、やはり依然として肺炎が原因で亡くなるケースは多いのが現状です。

しかし、肺炎球菌による肺炎が多いこともまた事実です。ワクチンを打つことで、肺炎球菌肺炎を27.4%減少させた(この数字をどう捉えるかは個人の価値観にもよると思いますが・・・)などの国内の報告もありますので予防効果のエビデンスはきちんとあります。

※脳梗塞については様々な原因がありますが、以前のブログでも脳梗塞について少し触れていますのでご参考までに。

<参考文献、サイト>

1)厚生労働省ホームページ 肺炎球菌感染症(高齢者)  https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/kenkou/kekkaku-kansenshou/haienkyukin/index_1.html

2)Motoi Suzuki et al;  Serotype-specific effectiveness of 23-valent pneumococcal polysaccharide vaccine against pneumococcal pneumonia in adults aged 65 years or older: a multicentre, prospective, test-negative design study. Lancet Infect Dis. March 2017.

 

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