ネフローゼ症候群

こんばんは。今日は「人狼ジャッジメント」というネットゲームでの感想戦がきっかけでネフローゼ症候群という病気について勉強しましたので解説します。

スポンサーリンク

まずネフローゼ症候群とは何か?ということからですが、簡単にいうと腎臓の機能の異常で、尿にタンパク質が多量に漏れ出てしまうため、血液成分中のタンパク質が減り、血液が薄くなり(浸透圧が低くなる)、その結果血管の外に水分が漏れてしまい「むくみ(浮腫と言います)」症状が起こる病気です。

ここ、少し難しいと思うのでさらに詳しく説明します。まず、血管には実は小さな小さな穴があいています。イオンや水などはこの小さな穴を通って出入りできるのです。血管の中と血管の外(間質といいます)はこの穴を通して水分のやり取りをしています。血管の中のタンパク質が濃いと、水分を血管の中に引き込めますが、逆に薄いと血管の中の水分は外に引っ張られます。まあ綱引きみたいなものですね。その結果、「間質」に水がたくさん漏れることでむくみとなるのです。むくみは膝より下の足に起こりやすいですが、血管は全身にあるので、顔がむくんだり、時に胸水や腹水といって、胸やお腹に水が貯まることもあります。

さて、ネフローゼ症候群の症状は①浮腫以外にも他にもあります。

②腎機能低下:タンパク尿が続くと、腎臓の機能が落ちてくることがあります。腎臓の機能とは、子糸体と呼ばれる部分で血液をろ過して必要な成分と不要な老廃物に仕分けるものです。不要な老廃物は尿として捨てられる仕組みで、これを行っているのが腎臓です。腎機能低下が進むと、やがては尿が作られなくなるため「透析治療」が必要になります。

 

③コレステロール値の異常:ネフローゼの患者さんは、比較的多くコレステロールが高いことがあります。原因ははっきりとは分かっていませんが、結果としてコレステロール値が高いと動脈硬化が進み、他の病気も合併しやすくなるので注意が必要です。

 

④凝固系の異常:また、ネフローゼの患者さんは凝固系の異常を起こすことがあります。詳しくは前ブログ健康診断(凝固系)もご参照ください。日本血栓止血学会による「肺血栓塞栓症/深部静脈
血栓症(静脈血栓塞栓症)予防ガイドライン」では、ネフローゼ症候群の血栓症リスクが指摘されています。血栓症とは、血のかたまりができてしまい、大事な臓器やその血管を詰まらせてしまう病気です。血栓ができないようにする予防法としては、入院や体調不良で長い間横になって寝ていることが多いときなどは特に、弾性ストッキングなどで足の静脈に血栓ができるのを防ぐとよいでしょう。

 

⑤免疫異常、感染症:ネフローゼ症候群の患者さんは感染症のリスクが高いことが知られています。先ほど、ネフローゼはタンパク質が尿の中に漏れ出てしまうと書きましたが、この中には免疫系を担当するタンパク質もあります。ネフローゼの患者さんはこの免疫担当のタンパク質(免疫グロブリンといいます)が減ってしまうこと、また治療のためのステロイドという薬の副作用で感染症にかかりやすいというものがあるため、感染リスクが高いのです。

混乱を避けるためにここではあまり詳しくは触れませんが、ネフローゼ症候群というのは「尿に蛋白が漏れ出てしまう腎臓の病気」、の総称です。正確には腎臓の細胞を顕微鏡で見て、細かい病名が決まります。その病名によって実は長期的な見通しも違ってくるのでこの辺については担当の先生とよく相談して下さい。

スポンサーリンク

治療について・・・

①ステロイド

ネフローゼ症候群の主な治療は、「ステロイド」と呼ばれるお薬です。商品名は「プレドニゾロン」というものが多いです。ステロイドとは何か?についてはまた機会があれば詳しく取り上げたいと思います。すごく簡単に言うと、様々な病気で起こる免疫系や炎症反応を抑えてくれる魔法の薬です。ネフローゼ症候群や、そのもとになる腎臓の病気は未だに原因が分かっていないものが多いですが、何らかの「炎症反応」によって腎臓の機能に障害が起こるので、このステロイドが効果があることが過去の経験から分かっているのです。

その他、ステロイドでも効果が出ない場合は、「免疫抑制薬」と呼ばれるさらに強い薬を使い、病気の原因となる免疫反応や炎症を抑える治療をします。

お気づきの方もいるかもしれませんが、「免疫反応」自体は体にとって必要なものです。これがあるからこそ、私たちは周りの細菌やウイルスにそう簡単には負けない体でいるのです。このため、ステロイドや免疫抑制薬の副作用として「感染症」が挙げられます。手洗いうがいなどをして身の回りを清潔に保つしかないですが、こればかりは個人差があるので、薬の副作用として残念ながら感染症にかかってしまうことは一定の確率で起こり得ます。大事なのは、免疫が弱まっていることを認識したうえで、少しの発熱や風邪のような症状であったとしても軽く考えず、かかりつけの病院を早めに受診することだと思います。

②利尿薬

これは、文字通り、おしっこを出やすくする薬です。なぜこれが必要かというと、最初にお話ししたようにタンパクが尿に漏れてしまうため、ネフローゼではむくみが出やすいのですが、このむくみの治療に利尿薬が必要となります。ステロイドなどで症状が落ち着いている場合は利尿薬が必ずしも必須ではない場合があります。

③腎保護薬

これは、一般的には「降圧薬」として知られている一部の薬、アンギオテンシン変換酵素阻害薬、アンギオテンシンⅡ受容体阻害薬と呼ばれる特定の薬には、実は腎保護作用が証明されています。このため徐々に腎臓の機能が悪化していく懸念のあるネフローゼ症候群では、こうした腎保護薬を使う場合があります。

④コレステロール降下薬

これも先ほど書きましたが、ネフローゼの方はコレステロール値が上がりやすく、その結果脳梗塞や心筋梗塞などの心臓や脳の血管の病気になりやすいことが知られています。このため採血などでのコレステロール値をみて、コレステロール降下薬が使われる場合があります。詳しくは前ブログ糖尿病と高脂血症をご参照ください。

⑤血液サラサラの薬

これも先ほど述べましたが、ネフローゼの患者さんは血栓ができやすいため、足の静脈などに血栓ができてしまうことがあります。これも体質で、個人差があるため全員一律に血液サラサラの薬を飲めばいいわけではありません。しかし、そうした症状や検査で血栓を疑う所見があった場合は血液をサラサラにして血栓予防をする薬を使うことがあります。

 

いかがだったでしょうか。少し長くなってしまいましたが、今日はこの辺で。というか実は昨日の夜から修正しながら少しずつ書いていたのですが。次回はステロイドという謎の薬について掘り下げてみたいなと考えています。それでは。

応援クリックお願いします。
にほんブログ村 健康ブログへ
にほんブログ村

人気ブログランキング

スポンサーリンク
スポンサーリンク

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です