大腸のスクリーニング、便潜血検査について

こんにちは。それでは前回の予告通り、本日は「便潜血」の検査について説明します。

便潜血の検査は、まあ言ってしまえばいわゆる「検便」ということです。お食事中の方がいたら深くお詫び致します。

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さて、この検査では何を見ているかというと、要は「便の中に血が混ざっていないか」をチェックしています。そんなの見れば分かるじゃないか。とツッコまれそうですが、そうではありません。肉眼的に見えないようなわずかな出血。それをみるから便「潜血」なのです。

例えば働き盛りの30代、40代の方は誰しも健康に多少の不安を持っていると思いますが、その中でも突然の癌などは心配ですよね。中でも胃癌や大腸癌というのは自分がなってもおかしくない、と私も思います。

では仮に、胃や大腸にある程度の大きさの癌があったとしましょう。私たちは普通に毎日食事をします。癌細胞は血流が豊富という特徴があるので、消化管の中を食べ物が通過すると、癌(≒腫瘍)の一部から出血することがあります。食事は毎日しますから、高い確率でこうした微小出血が起こっていることになります。ではその場合、便潜血を検査するとどうなるか?言うまでもなく出血あり、つまり陽性となるわけです。

ここで誤解しないでほしいのは、何も便潜血が陽性=癌です、とはならないということです。

ですから例え健康診断での便潜血が陽性と出たからといってすぐに落胆しないでください。今からそうでない場合も説明しますから。

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①単に痔がある場合、便が硬くて出るときに肛門の粘膜から出血している場合

あくまで便の中に血が出ている、というだけの所見なので、こうしたことが考えられます。例えば便秘症で3日ぶりにやっと便が出たけど硬くて・・・なんて場合には検査上は便潜血+となることもあります。痔がある場合も同じですね。

②大腸のポリープなど良性腫瘍や憩室からの出血の場合

腫瘍=癌ではありません。良性のポリープや、憩室といって大腸の中にいくつも小部屋のようなものがある場合があり、こうしたところから出血する場合があります。

いずれにせよ、便潜血が+と判定された場合は、ふつうは2回の結果を総合判断しますが、原因を調べないといけません。それが大腸カメラ、もしくは胃カメラの検査になります。もちろん両方やるにしても負担は大きいですから、それは担当の先生と相談してどこまで検査をやるべきかを決めていくことになります。

 

そうはいっても便潜血+なんて言われたら検査するまで不安で・・・という方も多いと思いますのでここで最後に1つだけヒントを書きます。それは、

#便潜血の結果だけでなく、「貧血」の程度をみる、です。

これでは何のこと?ってなりますよね。少し話は逸れますが、一般的に「貧血」といったら皆さんは何を思い浮かべますか?

きっと、学生時代に朝礼で、校長先生の話が長くて「貧血を起こして」保健室へ運ばれてしまった、もしくはそういう子がいた、といったような映像を思い浮かべた方が半分くらいいるんじゃないでしょうか。

これは、残念ながら医学用語では不正解です。「貧血」とは、血液中の赤血球の数が少ないため、全身に運ばれる酸素量が不足している状態、です。どういうことか。赤血球は酸素を運ぶ細胞ですが、例えば出血多量の状態だと当然血が少なくなり、血液は薄くなります。この状態を貧血と呼ぶのです。朝礼で倒れてしまう子は、急激な出血などで血液が薄くなり全身に酸素が運搬されずに倒れているわけではないですよね。

すいません、話がだいぶ逸れましたが、つまり貧血とは「血が足りない状態」と言えます。先ほどの例ですと、胃癌や大腸癌がもし仮にあったとすると、私たちが食事をとるたびに癌細胞から消化管を通って便に少しずつ微小な出血が続くことになるので、健康診断の採血で「ヘモグロビン値」もしくは「血色素量」が低下することが多いです。

もしあなたが健康診断で便潜血+と指摘されてしまったら、まずは採血結果の中の血算というところに書いてある「ヘモグロビン値」もしくは「血色素量」をチェックしてみてください。この数値が低下しているかどうかによっても早めに胃カメラや大腸カメラをするべきなのか、という1つの指標になります。

注)上に書いたことはあくまで目安ですので当然例外もあり得ます。当ブログでは、患者さん1人1人の病気の理解の助けになり予防の意識を向上させることを目的として書いていますが、個々のケースでは必ず決めつけはせずに担当の先生と相談して治療方針を決定してください。

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