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夏風邪

こんにちは。ここ数年はこの時期になると夏風邪を引いてしまいます。一応マスクはなるべくするようにはしているのですがやはり外来で大勢の風邪の方の診察をしているとどこからかもらってしまうのか。

実家が小児科の医院をしているという友達は、まあ風邪には強かったですね。色んなウイルスがたくさんいる中で育っているからたぶん抗体がたくさんできているのでしょうね(笑)

さて、今日は風邪についてです。実際自分が引いてみると分かりますが、風邪ってたぶんいつか治るのは分かっていても症状自体はすごく辛いですよね?僕もつらいです。特に咳がなかなか止まらなくてこれがほんとにつらい・・・

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①そもそも風邪とは?

色んな呼び方があります。風邪、感冒、急性気管支炎、ウイルス性気管支炎、急性上気道炎、etc。いずれにせよ、咳が出たり喉が痛くなったり痰が出たり、呼吸器(肺)の症状が出るのが特徴です。

②原因は?

9割はウイルスが原因です。ウイルスの種類は、ライノウイルスとか、アデノウイルスとか、とにかく色々です(笑)。残り1割は細菌と呼ばれる微生物が原因のこともあります。

③感染の場所は?

これは気道と呼ばれる場所で感染が起こります。気道には上気道と下気道があり、口から咽頭(のど)の奥までを上気道、そこから下、肺(肺胞)までを下気道といいます。風邪はこの気道感染の中でも上気道に起こります。ちなみにこの感染が下気道まで及ぶといわゆる肺炎という状態になります。ウイルスが原因となる風邪は多くは上気道までの感染のことを言います。

④治療法は?

ここが一番問題となるのですが、風邪のウイルスをやっつけるのは、他でもない、「あなた自身」です。先ほど②でウイルスは色々ですと少しいい加減なことを言いましたが、ウイルスの種類や細かい型は本当に様々です。インフルエンザや帯状疱疹など、ウイルスが原因でも抗ウイルス薬という薬がきちんと開発されている病気もあるのですが、これらは例外です。その他のウイルス感染はほとんど自分の免疫細胞(白血球とかマクロファージなど)の活躍に頼るしかないのです。

ポイントとしては、ウイルス感染の場合はあまり高熱が出ないこと、ウイルスには「抗生剤」は全く効かないこと、でしょうか。抗生剤自体はとても大切な薬ですが、人によってはアレルギーや副作用が出ることもあるし、むやみに使うと「耐性菌」と呼ばれる抗生物質に耐性ができて効かない新しい菌が生まれる温床になってしまいます。患者さんの中には「抗生物質」を処方してもらえないと納得できないし帰れない、という方も時々いますが、風邪に対しての抗生剤は、意味がないだけでなくデメリットの方が大きいんです。知らず知らずのうちに、自分の体の中に抗生剤が効かない耐性菌を育ててしまっている可能性もあり、そういった菌が将来自分に悪さをすることもあるので注意が必要です。

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⑤肺炎は別

ただし、肺炎、つまり細菌が原因の感染で下気道、肺まで感染が及んでしまった場合はもちろん抗生剤が必要です。特徴としては高熱が出たり、頑固な咳や痰が出て体の中の酸素の値が下がることもあります。もちろん病院できちんと診断を受ければ肺炎と分かりますが、実際問題レントゲンや採血の検査をしないと分からないのが現状です。我々はたくさんの風邪の患者さんの中から、症状、発熱、酸素飽和度、その他年齢や脳梗塞の既往などの背景を勘案して肺炎を見逃さないようにしなくてはなりません。なぜなら肺炎と風邪では治療法が全く違うからです。風邪で命を落とすことはあまり多くはないのですが、肺炎は日本人の死亡原因のトップ5には入る病気です。早期発見と治療が重要です。

⑥風邪と紛らわしい病気

さて、実は私自身もこの可能性はありますが、風邪のような症状で、咳が長く続く病気は他にもあります。非典型肺炎と呼ばれるマイコプラズマやクラミジアなどが原因の肺炎はあまり熱も出ず、乾いた咳が続きレントゲンでも典型的な肺炎像がみられないものとして有名です。他には気管支喘息や咳喘息、夏型過敏性肺臓炎などでしょうか。マイコプラズマ肺炎には抗生剤が必要です。喘息には吸入などの治療が、夏型過敏性肺臓炎などは家のダニやハウスダストなどが原因のこともあり、家庭環境の見直しも必要です。実は私もずーっと咳が続いていますが、夏で暑いので冷房をつけると咳が急に出てきて、止めると少し落ち着く、みたいな現象があったので昨日クーラーのフィルターを掃除しました。ただやはり素人作業では完全に掃除するのは難しいですね。ただやらないよりははるかにマシでしょうが。もちろんクーラーの掃除をする時は皆さんも最低限マスクを二重にするなど工夫はしてくださいね。

・・・私も来週も咳が続くようならレントゲンを撮ろうかと思っています。それではまた。

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渡せなかった50元・・・

どうも。北京1.5日目です。もはや健康ブログというよりは完全な旅行記と化していますが、LINEも使えないことですしご容赦を。

さて、1個前に報告した通りなんとかホテルに着いたのですが、シャワーを浴びたら21時を過ぎていましたが、このまま寝るのも少しもったいない気がしたので飛行機で読んだガイドブックに書いてあったスパ(要はマッサージ)に行ってきました。

100分全身(フットマッサージ)で8000円弱と値段は妥当。内容も満足できるものでした。

マッサージが終わった時間が0時を過ぎた頃だったので当然即閉店って感じで外に出たのですが。今思えばその時タクシーを呼んでもらうようにギリ英語が通じる店の人に言っておけばよかった。

御察しの通り私は中国語は、你好と謝謝しか話せません笑

タクシーくらい道ですぐ拾えるだろう、とタカをくくって歩いて探すも見つからず。仕方ないので店に戻ると、警備員?風のおじさん2人と私服のちょっと輩っぽいお兄さんがタバコ休憩中。

まあ警備員服を着てる人もいたのでやばい人ではないだろうと、タクシーを呼んでもらえないか?というニュアンスで話しかけるもうまく伝わらず。

内心、嘘だろタクシーくらい分かるだろ、と思いましたが、1番若いお兄さんがスマホの翻訳機能で何とかタクシーを呼んでほしいのか?という趣旨の中国語を英語に訳したものを提示してくれ話が通じました。

中国の方は英語がうまいイメージがありますが、北京の街で英語で話しかけても誰にも通じません。正直泊まってるホテルの人もかなり英語は怪しい笑

中国に行くときは、いざとなれば英語が話せる人を探せば何とかなるだろう、という甘い考えは捨てた方がよいでしょう。もちろん私もその1人でしたが。

それはさておき、タクシー話が通じて一安心するも、どうやら日本みたいにアプリでスッと呼んでくれる感じにはならず、結局小雨が降っているのでそのお兄さんが傘を取ってくるから歩いてタクシーが拾えるところまで一緒に行こう、ということに。

マジか、電話とかでちょこっとタクシー呼んでほしい、くらいの気持ちで声をかけたのに・・・

申し訳ないことにその後30分くらいお兄さんと夜の街を彷徨うことに笑 そして傘にも入れてもらい大変申し訳ない・・・

結局40分くらいお兄さんの休憩時間を使ってしまい何とかタクシーゲット。途中明らかに空車のタクシーに2,3回無視されやはり中国のタクシー運転手は嫌いになりましたが、しかしながら今回のお話はお兄さんの優しさが上回ります。

さすがにこれだけ世話になったのでチップを渡そうと途中から決めていましたが、さて10元にしようか20元にしようか。なんてことを内心考えていました。ちなみに4月の時点で1元17円くらいが相場のようです。

ケチくさくてすいません笑 しかし手持ちの中国紙幣に限りもあるという裏事情もあり日本円とは違うのです。

なんとなく想像してもらえたらと思いますが、こういうのはやはり時間がかかればかかるほどプレッシャーがかかります笑

15分を過ぎたあたりから10→20元、30分を過ぎたあたりから20元にという心の揺らぎがあり、結局傘にも入れてもらった上に40分以上付き合わせてしまったので、最終的にここはもう50元渡そう!と決めタクシーに乗る直前にお礼にということで50元札を渡そうとすると、いやいや!いらないよ!といったジェスチャーで断られてしまいました。日本人にありがちな感じでその後何度かそのやり取りを繰り返したのですが、どうやらお兄さんには本当に受け取る意思がないらしく、全力で拒否をされます。こちらもそう言われるとより一層渡したくなりますが向こうも本気。結局渡せませんでした。

意外、といっては失礼なんでしょうが、意外としか言いようもないこの結末にとても感動したこともあり土産話の1つとしてここに書かせて頂きました。

まあ側から見たらそれだけ?って話ですが、異国の地で深夜に初対面の現地の人と同じ傘に入りタクシーを探す、というのも不思議な感覚ですね。体験した本人にしか伝わらないかもしれませんが。

ちなみにlast mealはお昼の機内食だったのでお腹すいたなー。明日の朝はホテルのバイキング?だったかな?をたくさん食べるとして今日は歯を食いしばって寝ます。

明日からいよいよ学会も始まります。がたぶん明日は受付をしたら午後は観光します笑

それではおやすみなさい。

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中国ではLINE自体が使えない

らしいです。無事に中国について北京の空港からホテルの最寄り駅までは鉄道と地下鉄をうまく乗り継いで着きました。

やればできるやん、自分・・・

32歳にして海外に1人で行くのは初。

ちなみに海外自体は何度も行ったことはありましたが基本は小判鮫のように人に着いて行くことしかなかったので自分1人でのパターンはこれが初なのでした。

さて、まあそれはともかく、それにしてはまずまず順調な滑り出しに見えたのですが。

そう思ったのもつかの間、駅から歩き始めたら雨が降ってきて、しかもWi-Fiがつかまらず。表示されていたはずのアプリの地図は白紙に戻り、紙媒体での地図など保存していなかった私にはホテルと自分の位置関係を把握する術を失いました。

ホテルが近くにあることは分かっていたので、仕方がなくタクシーを止めてホテルの名前を伝えたところ、驚くべきことに全く通じず!

何回説明しても分からないの一点張り。その後2,3台同じことを繰り返しましたが無駄でした。

仕方がないのでひたすら歩くしかなく、とにかくまずはWi-Fiスポットをと歩いていたら、あっさりマック発見!渡りに船とはこのこと。早速入ってアリバイ作りのコーラを買い、Wi-FiをOn!

しかしこれも繋がらず。分かる人には分かると思いますが、電話番号を入れてパスワードを入れて、の例のやつです。そもそも4Gとかそーゆーのじゃないんで、これもできず断念してマックを後に。

さてもう八方塞がりでいつの間にか空港に17時に着いたのにも関わらず19時半に。そこから先は完全に野生の勘としか言いようがありませんが、10分くらい歩くと事前に写真で見たようなフォルムの建物が。近づいてみるとビンゴ!無事にチェックインしました。

さて、早速ホテルのWi-Fiを入れてLINEのアプリを起動。しかし見れず?

試しに他のインターネットをやるも、こちらは電波が良いとは言えないながらもつながります。しかしLINEは繋がらず。

ホテルの方と何度も問答を繰り返した結果、結論としては中国ではLINEもyoutubeもGmailもできない、らしい。ということが分かりました。中国人のユーチューバーとかいなかったでしたっけ??

ということでこのブログくらいしか連絡手段がなくなってしまったので更新しています。

初日の感想としては、もう日本に帰りたい、というのが本音かな。まず中国人のタクシー運転手は最悪ですね。ホテルを知らなかったとしたらプロとして終わっていますし、知ってて近いから乗せるのを嫌がったのならまだしも、知らん顔していたんだとしたらもっと最悪ですね。

本屋で中国のガイドブックがあれだけ少ないのが何故だか何となく分かった気がします。るるぶやマップルの北京っていうものすら置いてないという・・・

てことで今日はもうふて寝します。

と見せかけて飯がまだなので仕方なくどっか行きます。皆さんも中国に行くときは気をつけてください。

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いきなりステーキ

こんばんは。久しぶりの更新です。明日から学会で北京に行ってきます。

今日は景気付けにいきなりステーキに行ってきました。写真はワイルドステーキ300gです。

ライスとミニサラダのセットをつけても1800円程度で召し上がれますのでおススメです。リブとかサーロインとか上を目指すと少しお値段が張りますが、ワイルドステーキでも十分においしかったです。

一応予防医学の観点からブログを書いてるのでフォローしとくと、この後エニタイムフィットネスに行き筋トレをしてきました笑

医学的な内容だけだと限界があるので今後は筋トレとか食べ物の話とか、学会の時の写真とかも適当にアップしていきます。

それでは、これから荷造りをするのでまた明日ー。

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インフルエンザ再流行と注意すべき2つのポイント

こんにちは。さすがに平成も終わり、令和となり暖かくなってきましたが、今年はスギ花粉の飛散量が多かったり寒暖差が大きい影響もあり、春になって再びインフルエンザが再流行している地域もあるようです。私自身は4月に入ってからはインフルエンザの患者さんを見ていませんが、ニュースにもなっているように一部では流行しているのが事実です。

我々としても冬場は当然のように発熱の鑑別にまず「インフルエンザ」を挙げて検査をするのですが、まだまだインフルエンザを無視するわけにはいかないようですね。

今回は、患者さん目線でインフルエンザについて注意すべき点をまとめてみました。

 

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まずインフルエンザとは、「インフルエンザウイルス」が原因で起こる感染症です。インフルエンザウイルスにはA型、B型、C型があり、人に感染するのはA型とB型です。

症状として多いのは、発熱(高熱のことが多いが必ずしも高熱が出るとは限らない)や咳、のどの痛みといった風邪のような症状に加えて頭痛や全身の筋肉の痛みが出るのが特徴です。ただし、これら全てが揃うわけではなく、いずれかの症状が出ることが多く、症状は人によって異なります。

インフルエンザワクチンの接種により予防効果は高まりますが、ワクチンを接種するとインフルエンザにかからないわけではありません。米国の報告では、インフルエンザワクチンの65歳以下の予防効果は70~90%(ワクチン株と流行株が一致している場合=つまり流行しているウイルスの型の予想が当たっている場合)と言われています。日本では65歳以上の基礎疾患のない方の予防効果は約45%の発症を阻止し、約80%の死亡を阻止したとの報告があります。1)~3)

次にインフルエンザの診断についてですが、医療機関にいけば簡単な迅速キットで5~15分程度で診断がつきます。方法は鼻の中を細い綿棒のようなものでグリグリやって、鼻の粘膜についているインフルエンザウイルスの抗原の有無を判定します。ここで注意点その1ですが、インフルエンザの診断は、発熱(発症)後、12~24時間経たないと陽性になりません。言い方を変えると、インフルエンザの診断は、発熱などの症状が出てからすぐにやっても、「本当はインフルエンザだったとしても」陰性と出るのです。このため、医療機関によってはインフルエンザの流行シーズンには、発熱して翌日の検査を勧める場合もあります。

例えば、「子供が2人とも昨日インフルエンザと診断され、自分も今朝から全く同じ症状で高熱が出ている」というような内容で病院を受診された方がいたとします。誰がどう見ても、十中八九インフルエンザですよね?しかし、インフルエンザの薬はインフルエンザの検査が陽性にならないと保険で出せないのが現状です。

また、インフルエンザは細菌ではなくウイルスなので、抗生物質は効きません。風邪などもウイルスが原因ですが、自然に治りますよね?インフルエンザも結局はウイルスが原因なので、若い人などは自然な免疫で勝手に治ることもあります。しかし、お子さんやご高齢の方など基礎体力が落ちている場合は重症化しやすいので、やはり1回陰性でも翌日再検査をして、インフルエンザであればインフルエンザの薬で治療するのがお勧めです。

 

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ここで、注意点その2です。ここが一番大事なところなので今までの話は読み飛ばしてもらっても結構です(笑)

何かというと、

インフルエンザには強い解熱鎮痛薬は禁忌です。

強い解熱鎮痛薬とは何か?医学用語で恐縮ですが、非ステロイド性消炎鎮痛薬(NSAIDs)と呼ばれる薬です。具体的には、アスピリン®、バファリン®、ロキソニン®、イブプロフェン、ボルタレン®などです(※)  なぜダメなのか。これは、主に2つの合併症が起こる可能性があるからです。

①インフルエンザ脳炎、脳症

まず1つ目は脳炎、脳症です。インフルエンザ自体の合併症でも稀に脳炎を起こしてしまう方がいますが、インフルエンザに上記のような「強い解熱薬」を使うと脳炎になるリスクが高くなったり、命に関わる重症化しやすいことが指摘されています。

②ライ症候群

2つ目は、ライ症候群というちょっと聞きなれない名前の合併症。簡単に言うと肝障害と脳炎を同時に併発したような症状で、主にインフルエンザに対するアスピリンの内服との関連が指摘されていますが詳細は解明されていない病気です。①と少しかぶっている(オーバーラップ)ような印象です。

やや回りくどくなってしまいましたが、要は、発熱→解熱剤という公式が危ないですよ、というのが今回のメインテーマです。インフルエンザ自体は抗ウイルス薬(タミフル®、イナビル®、リレンザ®、ゾフルーザ®)でいつか治るでしょう。しかしやはり高熱はつらい。ではどうしたらいいか。

インフルエンザで唯一使っていい解熱薬はアセトアミノフェン(カロナール®、アンヒバ®)です。積極的に使った方がいいというものでもないので基本は頭を冷やして自然にインフルエンザの薬が効いて解熱するのが理想ですが、熱がつらい場合はアセトアミノフェンを処方するのが基本です。

では、インフルエンザ陰性の時、または病院でインフルエンザと診断されていなければ使っていいのか?ということですが、ここも注意が必要です。特に流行期においては、「発熱」→風邪かな?ということで市販薬(解熱鎮痛薬の成分含む)を飲んでしまうケースは非常に多いです。このため、稀に脳症を起こしてしまう方がわずかながらいるのも事実です。

繰り返しになりますが、発熱した当日はインフルエンザ検査が「陰性」と出ることもあります。しかし、実際にはインフルエンザであった場合は、実は解熱鎮痛薬が危険となることもあるので注意が必要なわけです。(私個人の考えとしてはよほどのことがない限り、特にインフルエンザ流行期の発熱にはアセトアミノフェンしか出さないことが多いです)

 

※上記の解熱鎮痛薬に関しては決して一般的に薬として否定しているわけではないです。あくまでインフルエンザの時に使用しないでほしい、ということです。

 

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参考文献:

1) 国 立 感 染 症 研 究 所 感 染 症 情 報 セ ン タ ー ホ ー ム ペ ー ジ

2) Prevention and Control of Influenza. Recommendations of the Advisory Committee on Immunization Practices (ACIP), 2008 . MMWR 2008 :57(RR-07):1-60

3) Influenza Vaccination of Health-Care Personnel.Recommendations of the Healthcare Infection Control Practices Advisory Committee (HICPAC) and the Advisory Committee on Immunization Practices (ACIP).MMWR 2006:55(RR-02):1-16

 

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体重が減る病気の鑑別について

こんにちは。なんだかんだで色んな病気のことを書いてきたので、メジャーな病気についてはそこそこ触れてきたような気がします。

ということで、一般の方向けに分かりやすく書くのであれば、症状→病気、という視点が分かりやすいのではないかと思い立ちました。ある症状から考えられる病気の鑑別を書いていくことで、これを繰り返すと辞書のような形になるのでは、と思います。

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実際、医学部の授業ではチュートリアルのような学習法で、病気の講義だけではなく、〜という症状から考えられる病気をいくつ思いつくか、という考え方は取りあげられています。研修医の頃の救急外来の当直でも応用できる考え方です。当たり前ですが、患者さんは自分は〜病なので治療して下さい、とは言いません。こういう症状で困ってるんです、という主訴(CC=Chief Complaints)を持って病院に来られることが多いです。

また、私はこういう症状があるけれど、何科を受診すればいいんだろう?と悩むこともあるかもしれません。そこで、症状という切り口でどんな病気が考えられるか、ということを勉強していきましょう。

第1弾として、体重減少、を取り上げてみました。明らかに食べるものがヘルシーになったとか、運動してダイエットしてます、という場合は体重は減って当然ですが、特に身に覚えがないのに体重が減るのは心配ですよね。では体重が減少する病気はどういったものが多いのでしょうか?

◯体重減少ってどのくらい?

まず体重減少の定義からです。一般的には5kg以上または全体重の5%以上の減少がある場合は、医学的に何か原因疾患があると疑う根拠になります。あくまで目安ではありますが。

◯原因について

診断の上でポイントとなるのは、当たり前ですが「ご飯を食べれているかどうか」ということです。

①内分泌疾患

食欲があるのに体重が減っていく場合は、内分泌疾患が隠れていることがあります。内分泌疾患の代表選手が、糖尿病と、バセドウ病です。糖尿病は食べすぎて体重が増えそうなイメージがあると思いますが、それは2型糖尿病です。一般的に糖尿病と言えば2型なのですが、1型糖尿病は特発的にインスリンというホルモンが出にくくなってしまう病気で、詳しくは前ブログに書いてありますが、こちらの場合は体重が減ることがあります。

バセドウ病は、別名甲状腺機能亢進症と言いますが、要は甲状腺のホルモンがたくさん出てしまう病気です。甲状腺ホルモンの役割は、代謝を活性化させたり交感神経と呼ばれる運動している時に活性化される神経を刺激します。結果、代謝が活性化すると汗がたくさん出たり、痩せるので今回の話のテーマにもある体重減少につながります。

脈拍が早くなったり不整脈が出たりすることもあるので、治療が必要です。

②悪性腫瘍

また、短期間で大きな体重減少がある場合は、あまり考えたくはないですが、悪性腫瘍の可能性を見なければいけません。悪性腫瘍とは、いわゆる癌のことなのですが、敢えてこの書き方をしたのには理由があって、胃癌や大腸癌のような固形癌と、リンパ腫などの血液の細胞の癌があるからです。癌細胞は増殖が早いので、糖やエネルギーを消費します。このため体重が不自然に減少するのです。

※食道癌や胃癌、大腸癌といった消化器系の癌は、上記の理由の他にも、大きくなるとそもそもご飯を食べた時に引っかかって通過しなかったり、便秘になったりするので食欲が落ちてしまい、そういった意味でも体重は減少するので特に注意が必要です。

③炎症性腸疾患など

最後に、あまり頻度は多くないですが、小腸や大腸での栄養分や水分の吸収不良やタンパク質が漏れてしまう病気、そしてクローン病や潰瘍性大腸炎などの腸に原因不明の炎症が起こってしまう病気の可能性もあります。これらは血液検査などでも手がかりがあり、分かることもありますが、下痢や腹痛、血便といった腸の症状が出るので、消化器内科を受診して詳しい検査をしてもらいましょう。

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さて、では今度は、シンプルに食欲がなくてご飯が食べれなくて体重が減る病気です。

④腸閉塞(イレウス)

先程※で述べたような病気もそうですが、癌でなくても、腸閉塞という病気があります。これは、お腹の手術をした方に多いのですが、何らかの理由で腸の途中で便が詰まってしまい、それによって食べ物が消化管を進んで行かず、段々と溜まってしまう病気です。これによって便秘や吐き気、食欲低下が起こるので、結果として体重が減ることになります。

⑤うつ病(その他精神疾患)、アルコール依存

食欲がないことについては個人差がありますが、例えばうつ病などの精神疾患が原因のこともあり得ます。

またアルコール依存症の方は、あまりご飯を食べないので段々と痩せていってしまいます。

病気の原因を考える上では患者さんの性別や年齢なども重要です。例えば若い女性の場合、自身のボディイメージが極端に偏っていた場合、側から見てて十分痩せているのに、太りたくない、という心理から食欲が低下してしまい極端に痩せ細ってしまう病気もあります。神経性食思不振症と言います。たくさん食べればいいだけ、しかし、何よりもご本人が食べることを拒否してしまうので想像以上に治療が難しいこともあります。

だいたいこんなところでしょうか。鑑別のポイントとして要点をまとめましたが、体重が減るという抽象的な概念なので、探せば他にもあるでしょう。しかし、頻度として多いものや見逃したくないものを優先して書いたつもりです。それでは今日はこのへんで。

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医療ミスと合併症の違い

こんにちは。前回の話の流れで「合併症」という概念が出てきましたので、どういう意味かを説明したいと思います。このご時世、「医療ミス」がニュースでよく取り上げられていますが、検査や手術などの治療の際に出てくる「合併症」という概念。入院したことのある方はもしかしたら聞いたことがあるかもしれません。「合併症」とはなにか?医療ミスとどう違うのか?

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①合併症とは

医療行為を行う際に、例えばレントゲンを撮るとか、超音波の検査や心電図の検査をする場合、検査によって患者さんの体に不利益を与えるような事故が起こる可能性は基本的には0%です(もちろんレントゲンは放射線に被爆しますが、それを言ったら我々医療従事者、特に放射線技師や循環器内科の医師は毎日その何十倍、何百倍の放射線を浴びています。)

このためこれらの検査は、「非侵襲的検査」と呼ばれます。侵襲とは患者さんの体に負担や害を与えることです。

一方で、採血や点滴、造影剤などの薬を使ったCT検査やカテーテル、外科手術などは、病気の検査や治療のために行いますが、やむを得ず患者さんの体に不利益を与えてしまう可能性が0ではありません。採血なども患者さんの体に針を刺しますし、稀ですが神経障害などを起こすことはあります。造影剤にはアレルギーや腎不全などのリスクがありますし、カテーテルや外科手術などは最悪の場合、死亡する場合もあります。こうした、検査や治療が原因で起こる、患者さんにとって不利益となる事象を総じて「合併症」と言います。

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②医療ミスと何が違うの?

でもそれって結局医療ミスなんじゃ・・・そう思われる方も多いと思いますので、違いを説明します。分かりやすくするためにいくつか例を挙げましょう。

例1) 腹痛で救急外来を受診された21歳女性。発熱と下腹部の痛みなどから急性虫垂炎(盲腸)が疑われたため造影CTを行ったところ、造影剤を注射した後から血圧低下と呼吸困難、全身の皮膚の湿疹を認め、造影剤によるアレルギー反応、アナフィラキシーショックと考えられた。

例2)胸痛で来院された52歳男性。心電図検査などから急性心筋梗塞と診断。カテーテル治療を行った。治療後、胸痛は改善したが右手、右足の麻痺症状を認めた。MRIなどの検査から、脳梗塞と診断された。原因は、カテーテル中に血栓が脳の動脈に飛んだものと推定された。

例3)糖尿病の治療のため入院となった40歳男性。高血糖治療のためインスリン10単位を打つ指示であったが、インスリン希釈の際に誤って100倍量のインスリンを点滴に混注してしまい、点滴開始30分後より意識消失。簡易血糖測定により原因は低血糖によるものと考えられた。

例4)右腎細胞癌のため手術となった60歳男性。手術後、摘出されたのが反対側の左腎であったことが判明した。

※これらの事例は説明のため創作したもので実際の人物等とは一切関係ないです。

 

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先に結論から言うと、例1と2は合併症、3と4は医療事故と言えます。では違いは何か?これは、事前に一定の確率で起こることが予想され、患者さんにその可能性やリスクを説明し得たものかの違い、そして事前の注意で防ぎ得たものかどうか、この2点の違いです。

先に例3と4を振り返ると、インスリンの量の調製は事前の注意や確認で防ぎ得たと言えるでしょう。また例4については言うまでもないですね?こうした事例はれっきとした医療ミスと言えます。

では例1はどうでしょう?造影CTの検査は病気の診断に間違いなく必要でしたし、今の時代、造影剤を使うCT検査では必ず同意書を取っており、事前にアレルギーのリスクも説明するはずです。またどんな名医が検査をオーダーしてもアレルギーは起こったでしょう。もちろんアレルギーに対しては適切な対処が行われたという前提で話していますが。よって例1は合併症の代表的な例と言えます。

例2についてはどうでしょうか?専門的な話で恐縮ですが、ここではカテーテル中にワイヤーが頸動脈などに迷入するなどの手技的な原因がなかった前提で話します。心筋梗塞の治療にカテーテルは必須ですが、大動脈など血管の壁にコレステロールのプラークがたくさんついていてそれが偶然カテーテルの先に当たって脳に飛んでしまったり、カテーテル中に血栓ができてそれが飛んでしまうなどの事象は稀に起こります。これは術者の不注意で起こるというよりは不可抗力によるところが大きい事例なので合併症となります。カテーテル検査の同意書には脳梗塞などのリスクがあることも通常、記載されています。

あくまで分かりやすい例を取り上げて説明しましたが、実際には確かに線引きが難しい例も多いです。最近何かと過敏な世の中なので、医療現場では検査1つ1つに同意書やら、リスクの説明があり、患者さんとしても煩わしいと思いますが、どうかご理解頂きたいということもあり今回このようなテーマで文章を書きました。いかがだったでしょうか。

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大腸のスクリーニング、便潜血検査について

こんにちは。それでは前回の予告通り、本日は「便潜血」の検査について説明します。

便潜血の検査は、まあ言ってしまえばいわゆる「検便」ということです。お食事中の方がいたら深くお詫び致します。

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さて、この検査では何を見ているかというと、要は「便の中に血が混ざっていないか」をチェックしています。そんなの見れば分かるじゃないか。とツッコまれそうですが、そうではありません。肉眼的に見えないようなわずかな出血。それをみるから便「潜血」なのです。

例えば働き盛りの30代、40代の方は誰しも健康に多少の不安を持っていると思いますが、その中でも突然の癌などは心配ですよね。中でも胃癌や大腸癌というのは自分がなってもおかしくない、と私も思います。

では仮に、胃や大腸にある程度の大きさの癌があったとしましょう。私たちは普通に毎日食事をします。癌細胞は血流が豊富という特徴があるので、消化管の中を食べ物が通過すると、癌(≒腫瘍)の一部から出血することがあります。食事は毎日しますから、高い確率でこうした微小出血が起こっていることになります。ではその場合、便潜血を検査するとどうなるか?言うまでもなく出血あり、つまり陽性となるわけです。

ここで誤解しないでほしいのは、何も便潜血が陽性=癌です、とはならないということです。

ですから例え健康診断での便潜血が陽性と出たからといってすぐに落胆しないでください。今からそうでない場合も説明しますから。

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①単に痔がある場合、便が硬くて出るときに肛門の粘膜から出血している場合

あくまで便の中に血が出ている、というだけの所見なので、こうしたことが考えられます。例えば便秘症で3日ぶりにやっと便が出たけど硬くて・・・なんて場合には検査上は便潜血+となることもあります。痔がある場合も同じですね。

②大腸のポリープなど良性腫瘍や憩室からの出血の場合

腫瘍=癌ではありません。良性のポリープや、憩室といって大腸の中にいくつも小部屋のようなものがある場合があり、こうしたところから出血する場合があります。

いずれにせよ、便潜血が+と判定された場合は、ふつうは2回の結果を総合判断しますが、原因を調べないといけません。それが大腸カメラ、もしくは胃カメラの検査になります。もちろん両方やるにしても負担は大きいですから、それは担当の先生と相談してどこまで検査をやるべきかを決めていくことになります。

 

そうはいっても便潜血+なんて言われたら検査するまで不安で・・・という方も多いと思いますのでここで最後に1つだけヒントを書きます。それは、

#便潜血の結果だけでなく、「貧血」の程度をみる、です。

これでは何のこと?ってなりますよね。少し話は逸れますが、一般的に「貧血」といったら皆さんは何を思い浮かべますか?

きっと、学生時代に朝礼で、校長先生の話が長くて「貧血を起こして」保健室へ運ばれてしまった、もしくはそういう子がいた、といったような映像を思い浮かべた方が半分くらいいるんじゃないでしょうか。

これは、残念ながら医学用語では不正解です。「貧血」とは、血液中の赤血球の数が少ないため、全身に運ばれる酸素量が不足している状態、です。どういうことか。赤血球は酸素を運ぶ細胞ですが、例えば出血多量の状態だと当然血が少なくなり、血液は薄くなります。この状態を貧血と呼ぶのです。朝礼で倒れてしまう子は、急激な出血などで血液が薄くなり全身に酸素が運搬されずに倒れているわけではないですよね。

すいません、話がだいぶ逸れましたが、つまり貧血とは「血が足りない状態」と言えます。先ほどの例ですと、胃癌や大腸癌がもし仮にあったとすると、私たちが食事をとるたびに癌細胞から消化管を通って便に少しずつ微小な出血が続くことになるので、健康診断の採血で「ヘモグロビン値」もしくは「血色素量」が低下することが多いです。

もしあなたが健康診断で便潜血+と指摘されてしまったら、まずは採血結果の中の血算というところに書いてある「ヘモグロビン値」もしくは「血色素量」をチェックしてみてください。この数値が低下しているかどうかによっても早めに胃カメラや大腸カメラをするべきなのか、という1つの指標になります。

注)上に書いたことはあくまで目安ですので当然例外もあり得ます。当ブログでは、患者さん1人1人の病気の理解の助けになり予防の意識を向上させることを目的として書いていますが、個々のケースでは必ず決めつけはせずに担当の先生と相談して治療方針を決定してください。

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心電図の話。狭心症?~ST低下とは?~

こんばんは。今回は質問?的なことがあったので、健康診断の結果でときどき記載のある心電図の「ST異常」もしくは「ST低下」について説明したいと思います。

分かりやすくするために今回はなるべく手短に。「ST」というのは、心電図を読む上での暗号のようなものなのであまり気にしなくてよいです。「ST異常」とか、「ST低下」と書かれた場合は以下のようなことが考えられます。

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①狭心症など心臓の血管が狭い病気

この場合、普通は「胸が痛い」などの症状が出ます。狭心症そのものについては胸の痛み、危険信号を見逃すな、で述べていますのでそちらをお読みください。これらの胸の症状と心電図の所見の両方がある人は、狭心症、心筋梗塞のリスクが高いので直ちに医療機関を受診してください。

②心臓の筋肉が肥大している場合

心臓は筋肉の塊によりできている臓器です。主な働きは全身に血液を巡らせること。例えば長い間高血圧を持病として持っていたり、治療しないままの状態が長いと心電図の波形が変化していきます。血圧とは血管の抵抗を表すので、血圧が高いと心臓の筋肉はそれに逆らって強い力で血液を巡らせなければいけません。このため勝手に筋トレ状態が続くことになり心臓の筋肉は肥大していきます。すると心電図の「ST」に変化が出てきます。これを高血圧性の心肥大といいます。

心臓の筋肉が鍛えられていいのでは?と思う人もいるかもしれませんが、今はよくとも5年後、10年後にやがて心臓の筋肉が疲れてしまい、動きが悪くなってしまい心不全という病気の元になります。なので早めに心臓を保護する薬を飲むのがよいでしょう。①ほどの緊急性はないですが、将来の心不全を予防するために今からきちんとした治療を受けるべきです。

③肥大型心筋症の場合

②と似ていますが、遺伝子の異常などで生まれつき心臓の筋肉が肥大しやすい病気の方がいます。ご家族(ご両親や親族)に同じような病気の方がいることも多いですが、心電図は②の場合よりも一層、特徴的な変化をしています。とはいえ①でないとも言い切れないので、これも専門医による適切な判断が必要です。

その他の可能性ももちろんありますが、ST変化、ST低下の原因として多いものを挙げてみました。

頻度、可能性は①と②が圧倒的に多いです。いずれにせよ、心電図で「ST」が変化しているというのは何かしらの原因がある可能性が高く、またほとんどは心臓が原因です。緊急性の高い病気もありますので、健康診断などでこうした指摘を受けたら内科もしくは「循環器内科」の受診をお勧めします。

簡単ですが、今日はこの辺で。次回は「大腸のスクリーニング、便潜血検査について」を予定しています。なお、今回は3部作として「心臓のカテーテル検査とステント治療」までを予定しています。大腸と心臓がなんで関係あるの?と気になる方は是非次回以降の更新もチェックしてくださいね。それでは。

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ステロイドって何?

こんにちは。前回の続きの意味も含めて、今回はステロイドという薬について説明します。

ステロイドという名前自体は、特定の薬の名前ではなく、いくつかの薬の総称です。つまりステロイドの中にも何種類もあり、飲み薬や点滴薬、はては目薬や軟膏など多岐に渡ります。

では、ステロイドとはどのような薬なのでしょうか?そもそもステロイドとは何なのでしょうか?

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もともとは、ステロイドとは私たちの体から分泌されているホルモンの中の1つです。主に腎臓の脇にある副腎と呼ばれる臓器から分泌されます。

皆さん、コレステロールというのは聞いたことがあるのではないでしょうか?

コレステロールも広い意味ではこのステロイドの一種です。コレステロールは肝臓で作られますが、一般的にステロイドというのは副腎で作られます。ステロイドの役割は、その種類により違いますが、糖分やナトリウムを体の中に維持したり、男性ホルモンや女性ホルモンとして働き、生きていく上でも種としての生殖活動をする上でも必要なホルモンです。

では、このもともと私たちの体の中にあるステロイドホルモンを病気に使うのは、なぜなんでしょうか?

ステロイドは、巷では魔法の薬とか、都市伝説のレベルでは悪魔の薬とか言われることもあるようで、人によっては誤解されやすい薬の1つかもしれません。患者さんの中には、ステロイドは昔、飲むなと教わったから飲まない!なんて人もいるかもしれません。

たしかにステロイド薬は幅広い病気に使われます。ステロイドが薬として使われる場合は、多くの場合は自身の免疫系を抑制するために使われます。

えっ、免疫ってないと困るんじゃないの?と賢明な読者の方はお思いになるかもしれません。それはその通りです。健康な人に使うと、デメリットの方が大きいでしょう。

しかし、世の中には、アレルギー反応や広い意味での免疫反応が過剰に起こってしまい、自分の体を傷つけてしまう病気が少なからず存在します。

そうした病気の中で、誰でも聞いたことがある代表選手を挙げると、「喘息」、「花粉症(アレルギー性鼻炎)」、「アトピー」、「リウマチ」などでしょうか。

個々の病気の説明はここでは割愛しますが、これらはいずれも過剰すぎる免疫反応が主な原因の病気です。

私たちの体には、異物を排除せよ、という免疫系と呼ばれる仕組みが備わっています。私たちの周りにはたくさんのウイルスや細菌などの微生物が実はたくさんいます。仮に免疫系がなかったら、私たちは皆、これらの微生物に感染してしまい人類は絶滅するでしょう。

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つまり免疫系とは、ウイルスや細菌、その他の「異物」を敵と見なしてやっつける仕組みのことです。

例えば分かりやすく、花粉症を例にとると、これは鼻から入った花粉が、体内で「異物=敵」と見なされ、それらを倒すために起こる反応により鼻水やくしゃみが出るのです。鼻水やくしゃみは、ばい菌を体外に出すための仕組みなのです。

しかし、春頃に大量の花粉が体に入ると、この仕組みにより私たちは苦しむことになります。花粉症に関しては詳しくは前ブログ花粉症についてをご覧下さい。

なお、花粉症は外から来た異物が原因でしたが、関節リウマチなどのいわゆる「膠原病」と呼ばれる病気は、自分の細胞を間違えて敵と認識してしまい、自己抗体と呼ばれる自分の細胞をやっつける抗体ができてしまい、この免疫反応が次から次へと起こることが原因の病気です。

これらはほんの一部の例ですが、ステロイドを使うべき病気の仕組みは、だいたい同じようなことが原因となります。

何事とやりすぎはよくない。ということで、この過剰すぎる免疫反応を適度に抑えるためにある薬が、ステロイドです。

もちろん、体にとって必要な免疫反応を抑える薬なので、やむを得ない副作用はたしかに起こり得ます。先に述べました、ステロイドは悪魔の薬、と言う方がいるのはこの副作用が心配だからでしょう。

ステロイドの副作用はたしかに何種類もあります。例えば、感染に弱くなったり、糖尿病や高血圧、うつ病になることがあります。その他、顔や足がむくむ、胃潰瘍、骨粗鬆症、白内障、緑内障、大腿骨の壊死、など起こりうる副作用を列挙していくとたしかにステロイドが嫌われるのも分かる気がします。

ステロイドは気軽に使う薬では決してありませんが、もしこの世からステロイド薬がなくなったとしたら、多くの病気が不治の病になるでしょう。ステロイドを使わないと治療できない病気の中には、難病と呼ばれる病気が多く、確かにステロイドで完治したからステロイドを飲まなくていい、とはならないケースも多いです。しかし、ステロイドのお陰で病気の勢いが弱まり、寛解状態が得られることが多いのも事実です。

副作用のないステロイドというのがあれば、それは本当の魔法の薬と言えるでしょうが、現代医学ではまだ無理なのも事実です。

ドラマの世界とは違い、100%安全な手術はないのと同じく、体質というのも人それぞれなので、副作用のない薬もまたありません。要は、ステロイドを飲むべき病気の場合、ステロイドの副作用やリスクよりも病気を治療しない方が命に関わるから、ステロイドを使うということです。

特に、ステロイドの使用量が多い方は、絶対に途中で飲むのをやめないでください。ステロイドは徐々に飲む量を減らしていくお薬です。自己判断で薬を飲むのをやめてしまうと、一気に病気がぶり返したり、体内のステロイドホルモンが不足して離脱症状を起こすことがあります。

いかがだったでしょうか?ちなみにアレルギーや免疫の例で花粉症なども挙げましたが、花粉症くらいであればステロイドを出すことは基本的にはありません。代わりにヒスタミン受容体拮抗薬と呼ばれる、よりマイルドなアレルギーのお薬が中心になります。

蛇足ですが念のため。それではまた。

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