月別アーカイブ: 2019年3月

二次性高血圧について

こんにちは。今日は、一般的でない方の高血圧について話そうと思います。高血圧については前ブログの高血圧①を見てください。

要約すると、血圧の高い人が100人いたとして、100人中90人は特に理由がない高血圧となります。これを本態性高血圧症と言います。

一方、残りの10人は、何かしら他に病気があって、それが原因で血圧が高い状態です。これを二次性の高血圧と言います。

血圧が高いのは、降圧薬で治療するしかないですが、何か原因があるならば、その病気を治療しないといけません。また二次性の高血圧の特徴としては、そうした根本の原因を治療しないと血圧のコントロール自体が難しいことが多いのも特徴です。今回は、そうした原因のある高血圧について説明していきます。

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①ホルモンの病気

体の中には我々が生きるために必要な様々なホルモンが行き交い、情報を伝えています。その中枢は、脳にある下垂体というところから出ているホルモンです。脳の命令は、甲状腺や、副腎皮質と呼ばれる腎臓の脇にちょこっとついている副腎と呼ばれる臓器に伝わり、そこからまたホルモンが出されて血圧や糖分、ナトリウムなどのホルモンが分泌されます。これらのどこかに異常が起こると、ホルモンが過剰に分泌されて血圧が高くなることがあります。ホルモンの病気は具体的にはどこの臓器に異常があるか、どのホルモンが異常分泌されているかによって何種類にも分けられます。代表的なものとしては、クッシング病、アルドステロン症、褐色細胞腫、バセドウ病、橋本病などです。その他にもたくさん種類があるので、今回は混乱を避けるため詳細は割愛します。これらは採血検査でまず当たりをつけて、もし疑わしければCTなどの画像検査を追加します。ただし採血もかなり特殊な検査になるので一般的な「採血」でやるこもはほぼありません。

治療はどのホルモンに異常が出ているかによっても異なるので一概には言えません。例えば甲状腺ではお薬の治療になることが多いですし、副腎や脳の下垂体の場合は手術になることもあります。

②腎動脈狭窄症

腎臓にいく血管が、何らかの原因で狭くなったり詰まったりすることで血圧が高くなる病気です。高速道路でいうと、ある1つのインターの料金所が10個あるところが3個に減っていたら渋滞が起こって道路は車でパンパンに溢れてしまう。こんなイメージです。先が詰まると血液も渋滞して、内圧が高くなるわけです。

明らかな原因があるので、料金所を増やさないとなかなか解決は難しいですよね?

治療はカテーテルを使って、狭い血管を風船で膨らませたり、ステントと呼ばれる金属を入れて狭窄の解除を行います。

③睡眠時無呼吸症候群

最後に、睡眠時無呼吸症候群について。聞いたことがある方もいるかもしれませんが、呼んで名のごとく、寝ている時に時々呼吸が止まってしまう病気です。多くは肥満などが原因で、寝ている時に喉のところの気道と呼ばれる呼吸の通路が狭くなったり閉塞することで呼吸が止まる病気です。日中の眠気が出たり、高血圧の原因にもなります。

診断は、外来でもできる簡易検査をまず行い、疑わしい場合は入院して行う睡眠ポリグラフィーという検査で診断します。

治療方法は、まずは減量(ダイエット)が最もシンプルな方法ですが、それでもうまくいかない場合はマウスピースを使う方法や、CPAP(シーパップ)と呼ばれる機械付きのマスクを寝る時につける方法があります。マスクは装着するときの不快感がとれるように慣れや細かい設定が必要になります。

いかがだったでしょうか。ここまで書いておいてなんですが、とはいえほとんどの高血圧は、体質的なものや、塩分過多、不眠やストレスなどの生活習慣的なものが原因となります。高血圧の薬を何種類も飲んでも下がりが悪かったり、他に何か症状や検査値の異常がある場合は、二次性の高血圧という存在もあるということを思い出して下さい。

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タバコは肺癌リスクを何倍に上げるか?〜副流煙の家族への影響〜

こんにちは。わりと久々の更新です。今回はタバコと肺癌の関係性について勉強していきましょう。

タバコを吸ってると肺癌になる。

ということは誰もが学校やらニュースで習うことだと思います。では、タイトルにも書きましたが具体的にどのくらいリスクが上がるんでしょうか?

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これは、人種によっても異なります。日本人のデータでは、2002年の研究で喫煙者の肺癌リスクは、タバコを吸ってない人と比較して男性は4.5倍、女性は4.2倍になるという結果が出ています。

肺癌には、悪い癌細胞の種類によって大きく4種類あります(扁平上皮癌、腺癌、小細胞癌、大細胞癌)。この中でタバコとの関連が深いのは、扁平上皮癌と小細胞癌と呼ばれるもので、太い気管支の近くにできるのでタバコの影響を受けやすいのだと思います。この2つに関してだけ見ると、タバコを吸うことで12〜17倍もリスクがあると言われています。

では次に、タバコをやめるとどうなるのでしょうか?おそらく、喫煙者の方の中には、どうせ今までタバコ吸ってきたんだから今さらやめても仕方ないでしょ?

と開き直って吸い続ける方もいます。

タバコは確かに、今まで吸ってきたニコチンの量が多ければ多いほど、癌などの病気になりやすいとは言われていますので、気持ちはわかります。しかし、少なくとも肺癌に関してのデータで言えば、タバコをやめた人の中で、やめてから9年以内の人でもリスクは約3倍に減っていましたし、10年〜19年で約1.8倍、やめてから20年以上の人では、吸っていない人とほぼ同等のリスクでした。

吸っている人が、吸っていない人に比べてリスクが4倍以上あるので、3倍に減るだけでも大きいですし、今からそれを徹底すれば10年で1.8倍に減る計算です。

もちろんこれはデータでのことなので、必ずしもこの通りにいくかといえば、当てはまらないこともあると思います。しかし、今回ここでお話ししたのは、あくまで肺癌に関してのデータだけです。

実際にはタバコを吸っていることがリスクとなる病気は、胃癌、肝癌、膵臓癌、喉頭癌、食道癌、膀胱癌、子宮癌などの体の多くの臓器の癌や、脳梗塞、心筋梗塞といった病気があり、論文などで明確な関連が証明されています。

 

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日本人の3大死亡原因となるような病気も含まれています。寿命に関しても、タバコを吸っている人は吸っていない人に比べて約8〜10年寿命が短いことが示されています。また25歳から79歳まで生存する確率は、タバコを吸わない人の方が吸う人より2倍高いとも言われています。

また、これも最近ではよく知られたことと思いますが、副流煙の影響もあります。副流煙とは、タバコを吸う人の周りの人が、タバコのフィルターを通さずに直接有害物質を吸ってしまう現象のことです。これはタバコのフィルターから直接吸入される有害物質よりも約7〜30倍高い(有毒物質の種類により違います)と言われています。

また、よくタバコを吸う時だけ1人になれば平気と考えている方もいますが、実際はそうではありません。

タバコを吸った後の息や、衣服などからも有毒物質は発せられ続けているため、そうした広い意味での副流煙に周りの人の体に目に見えない有毒物質が蓄積していくのです。特に小さいお子さんや、赤ちゃんがいるご家庭の方は十分注意すべきでしょう。

いかがだったでしょうか?タバコが体に悪いことは今や周知の事実ですが、意外と細かいところは知らなかったのではないでしょうか?

病気とは結果であってその明確な原因は分からないことが多いです。そして、誰も未来は分かりません。

しかし、「知らない」ことを「知ってる」に変えることで未来が変わることもあるのではないでしょうか。僕はそう思います。

それでは、また次回。

 

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神経調節性失神

おはようございます。少し忙しくてなかなか更新できませんでしたが、また再開します。

さて、今日は聞き慣れない病気、神経調節性失神について説明します。

どんな病気か。簡単に言うと、寝ている状態や、座っているところから急に起き上がったり立ち上がったりした後に血圧や脈拍が下がって気を失ってしまう病気です。

これ自体で死ぬことは基本的にはないですが、例えば横断歩道の真ん中などで倒れたら危ないですよね?また病院に行ってもなかなかきちんとした診断をしてもらえない場合や、職場や学校などでの理解が得られないなど、なかなかにつらい病気です。

ではなぜ急に立ち上がるとこうしたことが起こるのでしょうか?

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人は、心臓が強くしっかり動くことで全身に血液が巡り、酸素や栄養分が送られます。もちろん首の血管を通って脳にも酸素がいくのですが、心臓は胸にあるので、立っている状態だと重力に逆らって脳に血を送らなければいけません。実はそれって地味にすごいことだと思いませんか?

普段私たちは、無意識にけっこうな高さまで心臓から血液を送っているのです。これは、心臓が頑張っていることもありますが、同時に血液の通り道である血管が収縮するからなんです。

例えば寝ている状態なら心臓と頭はほぼ同じ高さにあって心臓的には楽ですよね?

しかし、ムクリと起き上がると急に頭が高い位置に移動するので、普通は血管がそれに反応してキュっと収縮するんです。子供の頃、ホースで水を撒いたりした経験はないでしょうか?その時に、ホースをギュっと押さえると、ホースの管が縮んで水が勢い良く出たのではないでしょうか?

血管も同じように、必要に応じて縮むことで血液が勢いよく頭まで巡ってくれるのです。

神経調節性失神という病気は少し複雑で、この「急に起き上がる」という動作を首の血管が感知すると、交感神経と呼ばれる神経が血管を縮めようと強い命令を出します。しかし、その命令が強すぎて、反射的に逆にそれを緩めようとする副交感神経と呼ばれる逆の神経が活動し始めます。まあなんでこんなことが起こるのかは分かりませんが、上司に強い命令口調で指示されたらちょっと反発したくなったりやる気がなくなったりしますよね? 命令される前より萎えてしまうこともあるはずです。

神経調節性失神では、神経にこれと同じようなことが起こってるとイメージして下さい。

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まとめると、

①立ち上がる→血管を縮めろ!と交感神経君が強い命令を出す

②いったんそれに従い血管が収縮する

③その強い命令に反発すべく副交感神経君が血管を緩めたり、心臓の拍動を下げて、やめだやめだ!とマイナスの命令をする笑

④結果として血圧が下がったり、心拍数が下がったりして、気を失う

こんな感じです。10代〜20代の若い女の子なんかに多い病気です。診断方法は、入院してティルト試験と呼ばれる特殊な検査をしなければいけないのでかなり大変です。だいたいは、気を失う前に、イスから立ち上がるとか、そういった「動作」があるかを診察の時に確認することであたりをつけるわけです。

この病気の難点は、医学知識のない一般社会からは、「心の病気」なんじゃないか、とか「やる気がない」、「気持ちの問題」と思われてしまうことです。病院に行っても、専門ではない先生だときちんと診断してもらえないこともあります。

特に感受性の強い若い子にも多い病気ですし、社会人でもそうですが、生きていく上で周りの人たちから理解されないというのはとても苦しいことです。

加えて、この病気、薬でパッと治せるものでもありません。もちろん薬が効く場合もありますが、治療の第1選択は、薬ではなく生活指導なのです。具体的には、

●水分や塩分を摂って脱水にならないようにする

●睡眠をよくとり、規則的な生活をする

●急に起き上がらずに、ゆっくりと起き上がる

●ティルト訓練と呼ばれる練習を自宅で行う

●弾性ストッキングを着用する

といったところです。高血圧には塩分はダメ、と以前の高血圧の回で言いましたが、今回はその逆ということです。塩分を摂れば血圧は上がるのですから。

訓練法や、実際に失神が起こりそうな時の回避法などはこちらの会社のホームページで紹介しているので参考にしてみて下さい。

この病気、良くなるのに時間がかかるし、努力も必要なのです。当然、症状がひどい時には毎日のようにこうした症状が出て仕事もままならない、という方もいますし、学生さんで学校や部活の友達にも理解してもらえず悩んでいる方も実際に何人もいました。

おそらくこれを読んでいる人で、自分がその病気!って人はまだ少ないかもしれませんが、今回に限らず、こういう病気もある、ということを知識として知っていたら、いつか誰かの助けになるかもしれません。

<参考文献>

日本循環器学会 失神の診断と治療のガイドライン

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因幡の白うさぎ

こんばんは。神戸から東京へ帰っているところです。

今回の学会のテーマ、再生医療発祥の地よりのメッセージ。何かというと、因幡の白うさぎの話です。

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古事記に出てくる神話の1つで、私も内容はよく知らなかったのですが、こんな感じの話のようです。(だいたいこんな話ってことなので詳しくは出雲大社HPを参照下さい)

昔々、出雲の国に人のいい神様がいました。しかし、彼には意地悪な兄神がいました。

ある時、近くの国にとても綺麗なお姫様がいるとの噂を聞き、意地悪な兄神は人のいい神様に自分の荷物を押し付けて、お姫様に会いに行きました。後から遅れて海岸を歩いていた神様は、皮を剥がされて困っているうさぎさんに出会いました。うさぎさんは、先に通りがかった意地悪な神様に助けてくれるようお願いしたら、嘘の治療法を教えられ、悪化したと言っています。

そこで人のいい神様は正しい治療法を教えてうさぎさんを助けてあげました。

すると、うさぎさんは、お姫様の心を射止めるのはあなたになるでしょう、と予言をして去りました。そして結果、先に会いに行った兄神ではなく、お姫様は人のいい神様を選びました。

という感じのお話です。

で、どこが再生医療なのかというと、今から40年以上も昔、アメリカのハーバード大学で、ハワード グリーン博士という先生がいました。彼は世界で初めて人の表皮の細胞の培養に成功しました。ある時、重度の熱傷のお子さんが病院に運ばれてきて、とても助からないような状態でしたが、グリーン博士はその患者さんの皮膚から培養した細胞のシートを移植することで見事に救命に成功したのです。その後、この世界初となる治療を、世界で最も偉大な医学誌New England Journal of Medicineに投稿して大きな反響を呼びました。これが再生医療の始まりとも言われています。

因幡の白うさぎの話が具体的に再生医療の話に言及しているわけではないのでやや強引な感じもしますが。

最後に、新大阪で食べたカレーうどん↓

関西のうどんは薄味と言われていますが、このカレーは何故か辛かった💦

カレーうどんで辛いカレーだったのは初だったので新鮮でしたが。それではまた。

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神戸に来てます^_^

こんばんは。学会で神戸に来てます。昨日は高校の友達とその奥様と、大阪でお好み焼き。↓写真 初対面ですが楽しくご飯を食べれました。ありがとうございます。

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大阪のこーゆー店のレトロな感じがよかったのですが、残念ながら食べて満足したためお店の外観の写真は失念しました笑

からの二次会はまさかのパンケーキでした。↓

パンケーキ食べたい

パンケーキ食べたい

パンケーキ食べたい

笑笑

そして、本来の目的、今日は朝から晩まで学会に。テーマは再生医療です。割とがっつり勉強してきました。明日も頑張ります^_^

そしてそして、今日は遅ればせながら、夜から神戸観光を。残念ながらポートタワーは閉店していたので登れませんでしたが、タワー自体も綺麗でした。薄着だったのでかなり寒かったですが💦

夜景はそれはそれは綺麗だそうで。

そして中華街で夜ご飯を。中学生以来なんじゃないかな。写真↓は皇欄というお店の牛バラあんかけ麺。

ポートタワーとフェリーもどうぞ⛴

なかなかゆっくりはできなかったですが、思いつきで一応行こうと思ったところには行けたので満足😏

たまには趣味の話をブログで書くのもいいですね。それではおやすみなさい^_^

 

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緊急性の指標、バイタルサインとは?

こんにちは。今日は、学会で関西方面に向かっています。

さて、タイトルにある通り、今回はバイタルサインというものについて。

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①バイタルサインとは?

まずバイタルサインとは何か、ということですが、これは血圧、心拍数(≒脈拍)、体温、呼吸回数の4つの総称です。病院に行かないと採血などの検査はできませんが、バイタルサインは家庭でも測ることができます。

②どのようにして使うか?

では、これらのバイタルサインは、どのように使われるのでしょうか。例えば、具合が悪い時に、すぐ救急車で病院に行くべきなのか、明日まで待ってもよいのか。判断に迷う時があります。もちろん、救急相談センターへ電話をするのが最も確実ですが、今自分の身に起こっている症状をうまく言えない場合もあるかもしれません。

しかし、血圧などの数値は客観的な数字でのデータになるので、誰が測っても同じ値が出るはずですし、伝達の時にも情報がきちんと伝えられます。例えば、「今、血圧180/90です」という情報は、極論すれば子供でも正確に伝えられるので、判断材料としては最も確実なものの1つとなります。

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③正常値

では次に、それぞれの項目についての正常値を見ていきましょう。

▲血圧(上の血圧で正常は100〜140mmHg)

血圧には皆さんもご存知の通り、上の血圧と下の血圧がありますが、分かりやすくするためにここでは上の血圧だけ覚えてください。だいたいの場合は上の血圧だけで解決します。

さて、血圧の正常値ですが、だいたい100〜140です。だいたい、と曖昧にしたのは、若い女性など、もともと正常運転で血圧が低い方もいるからです。これは、本人のいつもの血圧がどれくらいか、ということにもよります。例えば普段血圧が130くらいの人が、血圧180台と高かった場合は明らかに異常ですし、逆に血圧80台など低すぎる場合も異常なわけです。

▲心拍数(≒脈拍) 正常値60〜100回/分

次に心拍数。厳密には心臓が動く回数と手首などで測る脈が触れる回数はイコールではないですが、だいたい同じことが多いのでここでは深くは触れません。

脈拍は手首の親指側に反対側の指を当てると、トクトクという血液の流れを触れることができます。時計を見ながら、1分間に何回触れたか、を数えることで測定できますが、最近の血圧計では血圧を測ると脈拍数も勝手に測定してくれます。

正常値は1分間に60〜100回で、脈拍が極端に多すぎる場合や、50回を下回るなど極端に少ない場合、注意が必要です。

なお、さきほどの上の血圧と脈拍数を比べると、上の血圧が高いのが普通です。よって、

上の血圧÷脈拍数 が、1.0を下回る場合、特にショックバイタルと言い、要注意です。

例えば心臓や肺に異常を起こしている場合や、重症感染症で血液中に菌が蔓延している場合(敗血症といいます)、ショック症状を起こしていて血圧が下がるのです。

※先ほども述べましたが、もともと血圧が低い方で、平常運転の時にもギリギリ1.0を下回ってしまう人もいるので絶対とは言い切れませんが。

▲体温(正常値 35.0℃〜36.9℃)

これは説明不要だとは思いますが、体温計で普通に測定できます。最も馴染みのあるバイタルサインの1つと言えそうですね。

例えば風邪などでも37℃台の熱は出ますが、38℃後半から39℃以上の熱は、誰がどう見ても異常です。

発熱の原因については色々あるのでまた機会があればやりたいと思いますが、肺炎などの感染症で上がることが多いのも確かです。

逆に①、②で少し触れた超重症の感染症では体の具合が悪すぎて逆に体温が下がってしまうこともあるので要注意です。

▲呼吸回数(正常値12〜20回/分)

これも読んで字のごとく、1分間に何回呼吸をしたか、です。吸ってー、吐いて、はい。これで1回とカウントします。

具合が悪いと、肩で息をする、なんて言ったりしますが、実際にハアハア息をしていて苦しそうな人を見たら心配になりますよね?

それを客観的な数値で表したのがこの呼吸回数です。

例えば心臓や肺に何かしらの異常があったり、重い感染症にかかっていたりすると、体が酸素をたくさん欲するようになるので、脳がたくさん呼吸をして酸素を取り込むよう命令するんです。

今までの流れからお察しの方もいるかもしれませんが、これも呼吸回数が多すぎる場合も要注意なのですが、具合が悪すぎて呼吸すらできなくなっていることもあるので注意が必要です。

なお、病院などでよく、指で酸素の値を測る経皮的酸素飽和度(サチュレーションと言います)という指標もあります。95%以上が正常で、だいたいみんな90%台後半だと思いますが、厳密にはこれはバイタルサインには含まれません。簡単に測定できるのでよく用いる指標ではありますが、呼吸回数を測る方がより早く病気を発見できる場合があります。

いかがだったでしょうか?高すぎてもダメ、低すぎてもダメなのがバイタルサインです。

血圧や体温はもちろんですが、慣れればこのくらいは家庭でも余裕で測定できますし、だいたいの正常値を知っていると、その人の病気の緊急性があるのかどうかの推測もできるので、損はないと思います。もちろん、迷ったら必ず適切な窓口(病院や救急相談センター)に相談して下さい。その際にバイタルサインが分かっていると尚、適切な判断ができます。

余談ですが、採血など夜中に検査をできない病院では、ほとんどの医師がこのバイタルサインも参考にして緊急性の有無を判断していると思います。

それではまた。

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高齢者の肺炎は予防できるか

こんにちは。今日は、日本人の死因で3番目に多い、肺炎について。先日の内田裕也さんの例など、芸能人の方もかかることが多い病気。肺炎とは、どのような病気なのでしょうか。

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一般的に「かぜ」と言われている病気は、鼻から喉の部分までの上気道と呼ばれるところの感染で、原因はウイルスの感染です。基本的にはウイルスの感染には抗生物質(抗菌薬)が効きませんインフルエンザなどはそれ専用の抗ウイルス薬というのがありますが、風邪のウイルスにはそうした薬はないので、基本的には自身の免疫力により治すしかない病気です。

では、風邪と肺炎は何が違うのかというと、肺炎は肺そのものに感染が起こる病気です。ウイルス性の肺炎もありますが、多くは細菌と呼ばれる微生物が原因です。原因が細菌の場合は治療には抗生物質(抗菌薬)が必要です。

肺炎が起こる原因は様々ですが、基本的には原因となる菌が、気管支を通って肺の中に入り悪さをすることで起こります。口の中や鼻の中は、常在菌と呼ばれる雑菌だらけです。

以前、長引く咳の時に少し触れましたが、人は咳をすることで気管、肺の中に菌が入らないように予防しているのですが、これがうまくいかないと肺炎を起こします。ご高齢の方や、脳梗塞を起こした方だと、この咳がうまく出てこないため、肺炎を起こしやすいのです。これを誤嚥性肺炎といいます。

先ほど肺炎の原因は細菌が多いと言いましたが、具体的には「肺炎球菌」、「インフルエンザ桿菌」という菌が原因となります。肺炎球菌による肺炎は全体の25~40%とも言われています。もちろんこの他にも口の中の菌は何種類もいますので、色んな菌が原因で起こります。(注)インフルエンザ桿菌はインフルエンザウイルスとは別物です。

そこで、今回の本題ですが、最も多い「肺炎球菌」の対策として、肺炎球菌ワクチンの接種が平成26年よりできるようになりました。対象者は、65歳、70歳、75歳、80歳、85歳、90歳、95歳、100歳の方、もしくは60~65歳でかつ心臓、腎臓、肺の機能に障害があり日常生活が制限される(ややこしいですが、つまり病院などに行きたいときに気軽に行けないということでしょう)方、HIVウイルスに感染していて日常生活に障害がある方となっています。

ややこしいですよね。簡単に言うと、60歳や65歳の方は接種できるけど、63歳の人は接種できないということです。謎の5年しばり・・・63歳の方はあと2年待ってくださいということです。

かなり分かりにくいのでもう「65歳以上で未接種の方が対象」でいいような気はしますが、そのあたりは厚生労働省さんに聞いてもらうしか・・・笑

あと、1回接種している方は対象外です。また過去5年以内に接種を受けている方は、注射により皮膚の痛みなどの副作用が強く出る場合があるので注意してください。

 

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最後に、本題のテーマである肺炎の予防についてですが、残念ながらすべての肺炎を完全に予防することはできません。また肺炎球菌ワクチン自体は、約90種類ある肺炎球菌の中でも頻度の高い23種類の菌に対する予防ワクチンです。なので、ワクチンを接種したからといって肺炎球菌の肺炎にかからないとは限りません。また、冒頭でも少しふれたように、脳梗塞後で寝たきりの患者さんの場合はやはり食事だけでなく自身の唾液を誤嚥したりしてしまうので、やはり依然として肺炎が原因で亡くなるケースは多いのが現状です。

しかし、肺炎球菌による肺炎が多いこともまた事実です。ワクチンを打つことで、肺炎球菌肺炎を27.4%減少させた(この数字をどう捉えるかは個人の価値観にもよると思いますが・・・)などの国内の報告もありますので予防効果のエビデンスはきちんとあります。

※脳梗塞については様々な原因がありますが、以前のブログでも脳梗塞について少し触れていますのでご参考までに。

<参考文献、サイト>

1)厚生労働省ホームページ 肺炎球菌感染症(高齢者)  https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/kenkou/kekkaku-kansenshou/haienkyukin/index_1.html

2)Motoi Suzuki et al;  Serotype-specific effectiveness of 23-valent pneumococcal polysaccharide vaccine against pneumococcal pneumonia in adults aged 65 years or older: a multicentre, prospective, test-negative design study. Lancet Infect Dis. March 2017.

 

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福生病院の透析中止の事例と倫理的問題について

こんばんは。最近のトピックとして、福生病院の透析中止の事例から、透析とはどういう治療なのか、解説していきたいと思います。

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まず、大前提として透析治療とはどういうものかご存知でしょうか?

人間が生きていく上で、五臓六腑と呼ばれる、心臓、肝臓、腎臓、肺、脾臓(五臓)と、胆嚢、小腸、大腸、胃、膀胱、三焦(リンパ管) (以上六腑)は必要不可欠な臓器です。

この中で、腎臓と呼ばれる臓器は普通は左右2つあり、主に血液をろ過して、老廃物を体の外に出すために尿を作る臓器です。まあ簡単に言うと不要物除去フィルターのようなものです。片方はなくてもよい、とされていますが、2つあるに越したことはありません。

この腎臓が悪くなる原因は主に3つあって、1つは高血圧によって腎臓が長い期間かけて痛むこと、1つは糖尿病があって腎臓が長い期間かけて痛むこと、もう1つは腎炎と呼ばれる特殊な病気です。

多くの方は、高血圧や糖尿病を患い、このコントロールが悪いと腎臓を悪くしてしまい、やがて透析が必要になります。腎臓が悪くなると、このフィルター能力が落ちてしまい、尿が作られなくなってしまいます。すると主に2つ、問題が生じます。

1つは、体にとって毒になる物質が体外へ捨てられなくなること。人が生きていく上で必要なエネルギーやタンパク質を体の中で作ると、ゴミが出ます。これをフィルターで集めて尿にして捨てるのが、腎臓の大切な機能の1つです。

もう1つは、水分の逃げ場が失われることです。人は水を飲みますし、食べ物もほとんどは水でできています。つまり、体の中に入れた分の水は、出口がないと体の中に溜まっていきます。ある程度なら大丈夫ですが、たまりすぎると次第に足がむくんだり、肺に水が溜まったりして苦しくなります。もちろん、汗などでも多少は蒸発しますが、それでは追いつかないほど私たちは普段食べたり、飲んでいるはずです。

腎臓がいかに大切か、お分り頂けたでしょうか?

腎臓が悪くなってしまったものは仕方がないです。透析治療とは、血液を一度点滴のところから吸い出して、機械のフィルターに通して、体にとって不要な毒物や、水分を抜いた上で必要な成分だけをまた点滴のところから体へと返してあげる、そういう治療です。

尿は普通は毎日出ますから、透析も週に1回というわけにはいきません。最低でも週に3回は必要になります。

透析治療自体は非常に画期的なものですし、素晴らしい治療だと私も思います。

一方で、透析をすることの苦痛も無視できない事実としてあります。透析患者さんは、週3回、1日につき4,5時間もの間、病院で透析治療を受けることになります。血液をろ過するためには、二本の太い点滴の針を、透析の度に刺さなければいけません。

また透析さえすれば問題がないかというとそうではなく、透析の時に血圧が下がって気分が悪くなる方、頭痛に悩まされる方もいます。私たちは時に風邪を引くだけでもしんどくなります。個人差があるので、透析をしていても平気という人もいるかもしれませんが、透析の度につらい症状があり、これが2日に1日、4時間も続くとなると透析をやめたい、という考えを持つ方が中にはいるかもしれません。

 

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今回の福生病院での件では、ニュースなどでの客観的状況としてしか分かりません。亡くなられた方がどれほどの症状だったかとか、そう言ったことが分からない以上は否定も肯定もできませんが、個人の選択の自由はあって然るべきだとは思います。

そしてもう一つ、透析をやめた後に何が起こるかということですが、これは2パターン考えられます。もちろん生きていくのに必要な治療をやめるということなので、最終的な結末は言わずもがなですが、体の中に毒物がたまって、不整脈などが起こり亡くなる場合と、体に水分がたまって、心不全を起こして呼吸困難になり亡くなる場合の2通り考えられます。

前者のよつに毒物がたまると、苦しむイメージが強いですが、実は毒物がたまると意識が朦朧としてくるので、苦しみは少ない、とは言われています。一般的には、ですが。

一方、後者の場合は体に余分な水分がたまり、行き場をなくした水分は肺にたまり、肺水腫という状態になって呼吸が苦しくなって最後は酸素不足で命を落とします。あたかも水に溺れるような状態になるので、苦しい。

今回の事例では、亡くなられた患者さんは最後に透析中止の撤回を求めていたとのことでしたので、もしかしたら後者の症状が強く出てしまったのかもしれませんが、ご主人の突然の病気といった不幸な偶然が重なり、残念な結果となってしまいました。

今回の事例をまとめると、以上のようになります。ニュースなどを調べていて気づいたのですが、3年くらい前の話ですが、アナウンサーの長谷川豊氏は自身のブログでかなり透析患者さんに対する過激な発言をしていたようですね。医療のプロの立場から敢えて私見を言わせてもらうならば、彼の主張は根本的に的を外しており無責任な意見と言わざるを得ないでしょう。

まず大前提として、透析患者さん=糖尿病や高血圧で自業自得、ということが医学的に明らかな間違いです。

たしかにそうしたケースが多いことは事実ですが、冒頭で述べた、「腎炎などの特発的な病気」で腎臓を悪くして若くして透析導入になる患者さんも無視できない数いらっしゃいます。そうした医学的知識に対して無知なためなのか、あるいはマイノリティを無視した発言なのかは不明ですが。

もちろん、高血圧や糖尿病で腎臓を悪くした方でも、人によって事情は異なるし、そもそもそうした病気自体が体質的になりやすい人となりにくい人がいますしね。

彼は糖尿病に2つの病型があることをご存知なのでしょうか?

彼は、ご自身やご自身の身内の方が、腎炎などの特発的な病気で透析導入しか生きる方法がなくなったとしても、それでも同じことを言うのでしょうか?

さて、それはさておき、透析の問題に関してはたしかに医療費の問題と合わせて無視できない国家レベルの問題であることは事実です。そのためにも、私のような、いち内科医にできることとして、こうして予防医学の普及を行なっていくことに僅かでも意味があると信じて私も、読者の皆さんにも、明日からの活力にしていけたらいいなと思って更新しています。それではまた明日。

<参考文献、サイト>

1)日本透析学会ガイドライン  維持血液透析の開始と継続に関する意思決定プロセスについての提言

2) https://www.google.co.jp/amp/s/biz-journal.jp/i/amp/2019/01/post_26413.html(Buisiness Journal)

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胸の痛み、危険信号を見逃すな

こんにちは。1週間が過ぎるのは早いですねぇ。やっと週末と思ったら、もう日曜日も終わってしまいます。さて今回は、我々も頭を悩ますことの多い症状、「胸痛」について説明していきます。

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胸が痛い時、真っ先に心配するのは心臓の病気(狭心症)です。狭心症とは、心臓に酸素や栄養を送る血管が狭くなったり詰まったりすることにより胸が痛くなる病気です。完全に詰まってしまうと「心筋梗塞」となります。どちらも命に即直結する怖い病気です。

もちろん早めに病院に行くに越したことはないのですが、胸の痛みにも色々原因は考えられます。では、どのような痛みが危険な徴候なのでしょうか?

例として、以下のような2人の患者さんがいたとします。今回は症状の特徴を覚えてもらうために敢えて年齢など他の情報はない状態で示しています。どちらがヤバそうですか?

 

Aさん: 先生、最近胸が痛むことがあって、心臓の病気なんじゃないかって心配です。痛くなるときは、チクチクした痛みで、数秒で治るんですが、胸を指で押すとすごく痛いんです。健康のために毎日ランニングをしていて、走ってる時は症状は出ないですが、家で何もしてないと、時々痛むことがあります。

 

Bさん: 最近歳のせいか、運動するのがしんどくなって、用事で外出する時以外はあまり動いていません。胸の痛みですか?痛いってこともないですが、無理して階段を上ったり早歩きをすると苦しくなります。20分くらい休むと楽になるので、また歩けます。去年は駅の階段くらいは休まずに上れていたのに、これも老化現象ですかねぇ。

 

まあフリがあからさまだったので何となく分かったと思いますが、正解はBさんの場合です。

ポイントとなるのは、痛みの種類と、症状の持続時間です。前者はチクチクした痛みで、持続時間が数秒と短い。後者は胸が苦しくなる症状で、持続時間が20分と比較的長い。

心臓の痛みの原因は、心臓に酸素や栄養を運ぶ血管(冠動脈といいます)が、狭くなったり詰まったりすることですが、胸全体に広がるようなじわーっとした痛みや、時に息が苦しくなる、とか胸が締め付けられるように感じる方もいます。反対に、痛い場所が一点に集中していたり、チクチクした痛みの場合、心臓からきている痛みではない可能性が高いと言えます。

また心臓は胸の中の方にあるので、表面を押して痛くなる、というのも心臓ではない可能性が高いでしょう。

一方で、Bさんの場合を見てみましょう。Bさんは、「胸の痛み」という表現こそしていませんが、(胸全体が)苦しくなるような症状で、持続時間がAさんと比べて長いのも心臓の痛みに特徴的です。また、階段を上るなどの、運動による症状悪化を訴えています。走ったり階段を上ったりするとその分心臓もエネルギー、酸素が必要なので、心臓の血管が狭いと安静にしている時よりも酸素が不足して苦しくなってしまいます。そして休むと、症状が改善しているという点も心臓の痛み(狭心症)の特徴をよくとらえています。

もちろん、これはあくまで多くの場合、このような症状です、といった特徴の話なので、実際に胸が痛いときは病院で心電図をとってもらい、医師の診察を受けましょう。

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最後に雑談程度ですが、実は「狭心症」には2種類あります。

1つは一般的な狭心症。さっき説明したBさんのように心臓の血管が狭くなることにより心臓に酸素や栄養が届きにくくなり、運動によって症状が出て、ひどくなると少し動いただけでも症状が出たり安静にしていても症状が出るといった段階があります。

もう1つは、心臓の血管は綺麗なのに、アセチルコリンというホルモンが作用すると血管が痙攣を起こして一時的に狭くなり、上の狭心症と同じく胸の痛みが出るタイプのものです。「冠動脈」が「痙攣」するので冠攣縮性狭心症と呼ばれています。普通の狭心症と違って、心臓の血管が綺麗でも体質的に起こることが多く、安静にしているときに起こりやすい点が特徴です。また早朝や夜間に起こりやすいのも特徴です。また機会があれば話しますが、普通の狭心症はカテーテル治療を行うのに対して、冠攣縮性狭心症はお薬での治療が主になります。(ただし、診察だけでは正確な診断は実は難しく、診断のためにカテーテル検査を行う場合はあります)

少し話が長くなってしまいました。日曜日の夜は憂鬱ですが、また明日から1週間頑張りましょう。

<参考文献、サイト>

1)日本循環器学会「急性冠症候群に関するガイドライン」

2)日本循環器学会「冠攣縮性狭心症の診断と治療に関するガイドライン」

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中高年の足の痛み、手遅れになる前に知っておくべき2つのこと

おはようございます。今回は「足の痛み」について勉強していきましょう。

ひとくちに足の痛みといっても、原因は様々です。診断が正しければそれでいいのですが、原因によって治療法が変わる病気なので、もし診断が間違っていた場合には手遅れになることもあり得ます。ここでは中高年の方に多い「足の痛み」の原因として多いものを取り上げ、見分け方をお教えします。

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①神経からくる痛み

まずは、誰もが連想しやすい「神経痛」です。ほとんどの方が、「歳のせいで」、とか「坐骨神経痛」なんかをまず考えるのではないでしょうか。確かに足の痛みの原因として考えられると思います。具体的には脊髄や太もものところの神経が、加齢による変化で骨によって圧迫されて起こる痛みです。

人間は背骨のところに大事な大事な脊髄神経という大きな神経の管があります。大事なので脊椎という骨(背骨)によって守られています。しかし、老化現象で骨の変性が起こると守っている骨がだんだんと神経を圧迫したり悪さをするようになります。正確な病名は「脊柱管狭窄症」といいますが、骨と骨の間にある椎間板というところが飛び出して神経を圧迫する「椎間板ヘルニア」もあります。ただし、一般的には混同されやすく「腰椎症」とか、単に「ヘルニア」なんて言ったりもします。

いずれにせよ神経が圧迫されて痛みが出ていますので、痛みの特徴は、「ピリピリとした痛み」で、「姿勢の変化」によって悪化したりよくなったりします。具体的には「おじぎ」をしたり、座ったりと背骨を曲げるような動きで悪化することがあるのが特徴です。

 

②血管が詰まったり狭くなったりする病気

2つ目は、血管が詰まることで足が痛くなる場合です。①とは全く別の病気です。歩いたり走ったりするのには足の筋肉を使います。当たり前ですよね。でもその足の筋肉にも栄養がいかないと動いてはくれません。つまり足にも血液が酸素や栄養を運んでくれているのです。

しかし、高血圧や糖尿病、タバコなどが原因でだんだん「動脈硬化」が進むと全身の血管がボロボロになっていき、やがては詰まってしまいます。脳の血管が詰まると「脳梗塞」、心臓の血管がつまると「心筋梗塞」という病気です。どちらも命や人生に関わる大病ですが、足の血管が詰まると足が痛くなります。

この②の場合の特徴は、最初は運動したり長い距離を歩くと足が痛くなることです。つまり家で寝ていれば痛くはないんですね。前かがみになっても痛くならない。ここが①と大きな違いです。ただし、段々と症状が進むと次第にちょっとの距離を歩くだけでも症状が出たり、ひどいと安静にしていても痛みが出たりします。ここまでくると、足に「潰瘍」と呼ばれる傷ができたり、足の色が紫や黒くなってくるので違いは明らかなのですが、神経痛だと信じ込まれていると足の色を診察の時に見てくれないかもしれないので、気づいたときには手遅れというケースもあり得ます。

手遅れとは足が腐ってしまい、切断手術をするしかない状態のことです。ここまで悪化してしまうと潰瘍の部分から感染することも多く、命に関わります。

 

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次に治療法ですが、①の場合はまず整形外科に行かないといけません。その上で骨の状態などをみて手術をするか、リハビリや痛み止めなどで様子をみるか、先生と相談して治療法を決めます。

②の場合は内科で相談してください。手と足の血圧を同時に測る検査を行い、足の血圧が手よりも低い場合は要注意です。(注:ふつうは足の方が血圧が高いのです)  まずは薬での治療を行いますが、場合によっては早めにカテーテル治療やバイパス手術という治療を行った方がいい場合もあります。たかが足、されど命に関わることも多く、歩けなくなったり切断しなければならないとその人の人生にも大きな影響を与えます。

①と②の違い、分かっていれば早めに対処できますが、例えば初期の段階で本当は②が原因なのにも関わらず、①と信じられてしまい痛み止めや湿布などで様子をみる、となった場合、症状が悪化して気づくまでそのままということもあり得るので最初の診断が大事なのです。

③その他

もちろん足の痛みの原因は①、②だけではありません。尿酸の値が高いことで起こる痛風や、足の皮膚の下の感染などで起こる蜂窩織炎という病気など、様々です。また機会があれば他の病気のことも取り上げたいと思います。

 

<参考文献、サイト>

1)日本循環器学会「末梢閉塞性動脈疾患のガイドライン」

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