日別アーカイブ: 2019年4月22日

大腸のスクリーニング、便潜血検査について

こんにちは。それでは前回の予告通り、本日は「便潜血」の検査について説明します。

便潜血の検査は、まあ言ってしまえばいわゆる「検便」ということです。お食事中の方がいたら深くお詫び致します。

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さて、この検査では何を見ているかというと、要は「便の中に血が混ざっていないか」をチェックしています。そんなの見れば分かるじゃないか。とツッコまれそうですが、そうではありません。肉眼的に見えないようなわずかな出血。それをみるから便「潜血」なのです。

例えば働き盛りの30代、40代の方は誰しも健康に多少の不安を持っていると思いますが、その中でも突然の癌などは心配ですよね。中でも胃癌や大腸癌というのは自分がなってもおかしくない、と私も思います。

では仮に、胃や大腸にある程度の大きさの癌があったとしましょう。私たちは普通に毎日食事をします。癌細胞は血流が豊富という特徴があるので、消化管の中を食べ物が通過すると、癌(≒腫瘍)の一部から出血することがあります。食事は毎日しますから、高い確率でこうした微小出血が起こっていることになります。ではその場合、便潜血を検査するとどうなるか?言うまでもなく出血あり、つまり陽性となるわけです。

ここで誤解しないでほしいのは、何も便潜血が陽性=癌です、とはならないということです。

ですから例え健康診断での便潜血が陽性と出たからといってすぐに落胆しないでください。今からそうでない場合も説明しますから。

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①単に痔がある場合、便が硬くて出るときに肛門の粘膜から出血している場合

あくまで便の中に血が出ている、というだけの所見なので、こうしたことが考えられます。例えば便秘症で3日ぶりにやっと便が出たけど硬くて・・・なんて場合には検査上は便潜血+となることもあります。痔がある場合も同じですね。

②大腸のポリープなど良性腫瘍や憩室からの出血の場合

腫瘍=癌ではありません。良性のポリープや、憩室といって大腸の中にいくつも小部屋のようなものがある場合があり、こうしたところから出血する場合があります。

いずれにせよ、便潜血が+と判定された場合は、ふつうは2回の結果を総合判断しますが、原因を調べないといけません。それが大腸カメラ、もしくは胃カメラの検査になります。もちろん両方やるにしても負担は大きいですから、それは担当の先生と相談してどこまで検査をやるべきかを決めていくことになります。

 

そうはいっても便潜血+なんて言われたら検査するまで不安で・・・という方も多いと思いますのでここで最後に1つだけヒントを書きます。それは、

#便潜血の結果だけでなく、「貧血」の程度をみる、です。

これでは何のこと?ってなりますよね。少し話は逸れますが、一般的に「貧血」といったら皆さんは何を思い浮かべますか?

きっと、学生時代に朝礼で、校長先生の話が長くて「貧血を起こして」保健室へ運ばれてしまった、もしくはそういう子がいた、といったような映像を思い浮かべた方が半分くらいいるんじゃないでしょうか。

これは、残念ながら医学用語では不正解です。「貧血」とは、血液中の赤血球の数が少ないため、全身に運ばれる酸素量が不足している状態、です。どういうことか。赤血球は酸素を運ぶ細胞ですが、例えば出血多量の状態だと当然血が少なくなり、血液は薄くなります。この状態を貧血と呼ぶのです。朝礼で倒れてしまう子は、急激な出血などで血液が薄くなり全身に酸素が運搬されずに倒れているわけではないですよね。

すいません、話がだいぶ逸れましたが、つまり貧血とは「血が足りない状態」と言えます。先ほどの例ですと、胃癌や大腸癌がもし仮にあったとすると、私たちが食事をとるたびに癌細胞から消化管を通って便に少しずつ微小な出血が続くことになるので、健康診断の採血で「ヘモグロビン値」もしくは「血色素量」が低下することが多いです。

もしあなたが健康診断で便潜血+と指摘されてしまったら、まずは採血結果の中の血算というところに書いてある「ヘモグロビン値」もしくは「血色素量」をチェックしてみてください。この数値が低下しているかどうかによっても早めに胃カメラや大腸カメラをするべきなのか、という1つの指標になります。

注)上に書いたことはあくまで目安ですので当然例外もあり得ます。当ブログでは、患者さん1人1人の病気の理解の助けになり予防の意識を向上させることを目的として書いていますが、個々のケースでは必ず決めつけはせずに担当の先生と相談して治療方針を決定してください。

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心電図の話。狭心症?~ST低下とは?~

こんばんは。今回は質問?的なことがあったので、健康診断の結果でときどき記載のある心電図の「ST異常」もしくは「ST低下」について説明したいと思います。

分かりやすくするために今回はなるべく手短に。「ST」というのは、心電図を読む上での暗号のようなものなのであまり気にしなくてよいです。「ST異常」とか、「ST低下」と書かれた場合は以下のようなことが考えられます。

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①狭心症など心臓の血管が狭い病気

この場合、普通は「胸が痛い」などの症状が出ます。狭心症そのものについては胸の痛み、危険信号を見逃すな、で述べていますのでそちらをお読みください。これらの胸の症状と心電図の所見の両方がある人は、狭心症、心筋梗塞のリスクが高いので直ちに医療機関を受診してください。

②心臓の筋肉が肥大している場合

心臓は筋肉の塊によりできている臓器です。主な働きは全身に血液を巡らせること。例えば長い間高血圧を持病として持っていたり、治療しないままの状態が長いと心電図の波形が変化していきます。血圧とは血管の抵抗を表すので、血圧が高いと心臓の筋肉はそれに逆らって強い力で血液を巡らせなければいけません。このため勝手に筋トレ状態が続くことになり心臓の筋肉は肥大していきます。すると心電図の「ST」に変化が出てきます。これを高血圧性の心肥大といいます。

心臓の筋肉が鍛えられていいのでは?と思う人もいるかもしれませんが、今はよくとも5年後、10年後にやがて心臓の筋肉が疲れてしまい、動きが悪くなってしまい心不全という病気の元になります。なので早めに心臓を保護する薬を飲むのがよいでしょう。①ほどの緊急性はないですが、将来の心不全を予防するために今からきちんとした治療を受けるべきです。

③肥大型心筋症の場合

②と似ていますが、遺伝子の異常などで生まれつき心臓の筋肉が肥大しやすい病気の方がいます。ご家族(ご両親や親族)に同じような病気の方がいることも多いですが、心電図は②の場合よりも一層、特徴的な変化をしています。とはいえ①でないとも言い切れないので、これも専門医による適切な判断が必要です。

その他の可能性ももちろんありますが、ST変化、ST低下の原因として多いものを挙げてみました。

頻度、可能性は①と②が圧倒的に多いです。いずれにせよ、心電図で「ST」が変化しているというのは何かしらの原因がある可能性が高く、またほとんどは心臓が原因です。緊急性の高い病気もありますので、健康診断などでこうした指摘を受けたら内科もしくは「循環器内科」の受診をお勧めします。

簡単ですが、今日はこの辺で。次回は「大腸のスクリーニング、便潜血検査について」を予定しています。なお、今回は3部作として「心臓のカテーテル検査とステント治療」までを予定しています。大腸と心臓がなんで関係あるの?と気になる方は是非次回以降の更新もチェックしてくださいね。それでは。

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